第16話 樹氷の森の舞踏会1

「見て、ライファン。氷の花が咲いてるよ」


 樹氷の森で、透明に輝く木々を見上げながら、、リリッシェは声を弾ませる。


 枝のところどころに、花の形をした氷がついている。薄桃色の華やかだ。これは妖精の奇跡だ。妖精たちは自分で作った花を木にくっつけて回るのだ。


 後ろでライファンが声を立ててわらう。


「ご機嫌だな、リリッシェ」


「うんっ。だってすごく楽しい。本当にありがとう。ねえ、ライファン。わたし、お弁当持ってきたよ」


「俺はリリッシェの好きなお菓子を用意したよ」


「ピクニックみたいだね」


「ああ、ピクニックだ」


 リリッシェは雪道をぴょんぴょん跳ねる。林の真ん中に凍った池があった。


「きれいー……」


 池は雪や氷の花を閉じ込めて凍っていた。光が差し込んでふしぎな色に輝いている。

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