第15話 雪の王子の招待状7

「やっぱり驚くよな。わるかった」


「どうしたの?」


「んー? お祝いだよ。いっただろ? 明日さ、俺と出かけないか? 城で宴もいいかなと思ったけど、気楽に二人だけで遊ぶほうが楽しいよ」


 気楽に二人で。


 いわれて、わくわくが込みあげる。

 想像するだけで楽しくなった。


「行きたいっ」


「どこにする?」


「深雪の丘もいいし、樹氷の森もいいな。ライファンはどこがいい?」


「リリッシェの好きなところでいいよ」


「ありがとーっ」


「明日は聖女殿の仕事休んでいいよ。俺から伝えとく。迎えを家に行かせるからな」


「本当、うれしいっ。さっきはびっくりしたけど」


 ライファンはふいに顔を赤くし、目を伏せた。


「そういわれると思った。でもな……」


「でも?」


「でも、リリッシェを正式に誘いたかったんだよ」


 伏せた瞳はきらめいて、やはりきれいだった。

 またリリッシェはどきどきした。


「……それに、話したいこともあるから」


「え?」


 聞いた声には答えず、ライファンは窓際に立つ。


 雪が降り始めていた。


 雪の王子の向こうでやわらかく風に舞う。清い清い純白た。とても美しいと思った。

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