第14話 雪の王子の招待状6

 ライファンはリリッシェの前に片膝をつき、リリッシェの手を取った。


「ど、ど、どうしたの?、ライファン」


「これを貴女に」


 ライファンはリリッシェの手に封筒を握らせる。微笑み、お辞儀をし、立ちあがった。


 王家の紋章が入った封筒だった。銀の縁取りが目にまぶしい。

 リリッシェの頭の中は真っ白になった。

 呆然と立ち尽くした。


 ライファンはそんなリリッシェに、ソファにすわるように促す。

 やがて、ああ疲れたと息をつき、自分もソファにもたれた。


 ……え?


 今度はいつものライファンだ。

 くらくらと目が回る。


「慣れないことしたから疲れたよ」


「ラ、ライファン?」


「ほら」


 ライファンはルルー犬のぬいぐるみをリリッシェに抱かせる。

 それでリリッシェはやっと落ち着いた。

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