第13話 雪の王子の招待状5
ドアをノックすると、中から『どうぞ』と声がする。
正式に呼ばれたため、いつものように勝手に部屋に入るのはやめておいた。
ドアを開けたリリッシェは目を見張る。
ライファンの服装がいつもと違ったからだ。
彼は正装に近い衣装で窓際に立っていた。凛とした姿にどきっとする。
彼はなぜかずっと背を向けていたが、やがてゆっくりと振り返る。
いつもと違う、優美な表情をしていた。彼は流れるような仕草でお辞儀した。
「よく来てくれましたね、リリッシェ。急な呼び出しに応えてくれて、うれしく思いますよ」
……え?
いつもの口調じゃない。
友達に対する態度でもない。
もしかして、頭でも打って……。
「ライファン、どうしたの? いつもと違うよ」
リリッシェの言葉には答えず、ライファンは続ける。
「最近の予知の活躍で、国王から褒美も出たそうですね。遅ればせながら、私もお祝いさせてもらおうと思い、貴女を呼んだのですよ」
ライファンは優雅に微笑む。きらめく瞳が美しすぎて、リリッシェは目まいを起こした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます