第12話 雪の王子の招待状4

「またその話? やめてくれない?」


「だってオレの観察眼は鋭いもん」

「もう、とっくに諦めたの。今は深い仲の親友なの」


「ライファンって傲慢だよな。いきなり呼びつけるなんて。行くのやめて、オレの部屋に来いよ」


「意味が分からんない。なんでブルーナの部屋に行くの? ブルーナの自宅はとなり町でしょ? なんであんな遠くに行かなきゃならないの?」


「お前って本当ににぶい奴だな。あのな……」


 ふいにブルーナは口ごもる。


 もういいと、横を向いた。


「とにかく、相手が王子だからって、行くことないんだよ。お前が来いっていってやれ」


 目をそらしたまま、ブルーナはつぶやく。


 じゃあなと、急に向きを変えると、回廊をもどっていった。

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