第2話 聖女の予知2

 王子の婚約は、国から正式な発表されたわけではない。


 ただの予知だ。未来のことだから、本当に起こるかも分からない。しかも、婚約相手だって誰だか分からない。


 なのに、王都はもうお祝いムードだ。


 家々の周りや街路樹には、雪飾りが飾られている。雪飾りとは雪の結晶の形をしたオーナメントだ。ガラスや布で作られている。


 雪の中、オーナメントは光を反射する。


 婚約を記念したマスコットや菓子まで売られはじめた。


 わたしの予知でみんなが喜んで……。


 リリッシェは誇らしくて仕方ない。ステップを踏むように仕事場への道を進んだ。


 リリッシェの仕事場は王城にある。


 聖女たちが集まる聖女殿だ。そこで霊力の訓練をしたり、未来の間で瞑想して予知をするのがリリッシェの仕事だった。


 聖女の仕事は大好きだ。

 ただ、聖女のローブはとても大人ぽい。

 リリッシェが着ると、冗談にしかならないのか、ものすごく恥ずかしかった。

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