第6話 バウンティハンターの反撃
――契約の内容も聞かぬ奴は初めてだ。だが約束は守ってもらうがよいな?
言われて初めてヴァルラはその「契約」というものを思い出した。死ぬより悪い事などないと思ってはいるが、この命の見返りは一体どれほど大きなものなのか。
「いいだろう。でもな……」
ヴァルラは静かに立ち上がり、そろりと物置小屋の入口の方に近付くと、勢いよくドアノブを引いた。
「うわ……っ」
中の様子を伺いつつ外からドアノブを掴んでいた男が、ドアと一緒に引っ張られて小屋の中に転がるように入って来る。それに体当たりを食らわせて、引き倒しながら大型のナイフで男の首を切り裂いた。
血が噴き出すその男の体を、続いて追って来た男たちの方へ投げるように押しつける。痙攣しながら倒れこんでくる血まみれの仲間の姿に、彼らは一瞬怯んだ。その隙に、もう1人の頭を銃弾で吹き飛ばす。ヴァルラは口の端を上げた。
「あと3……いや、4人か。これを片づけるまで少しだけ良い子で待ってろよ!」
男たちも銃で応戦してくるが、ヴァルラの動きは速い。物置小屋から飛び出すと、男たちの後ろへ回り込んでその背に銃弾を撃ち込む。
「多勢に無勢だ。卑怯だなんて言いっこなしだぜ。それに、後ろからの方がイイって言うしなぁ!?」
先程までの劣勢が嘘のように、ヴァルラの調子はどんどん上がっていき、品位はどんどん下がっていった。
「この……っ!」
最後の1人が振り返りざまに撃った弾は、ヴァルラの腕を掠っただけに終わる。その男もヴァルラが投げたナイフに心臓を貫かれ、唸りながら倒れて動かなくなった。
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