第7話 ドゥリンアーク、魔術について学ぶ
魔術師のシャンディ師匠のもとで、エグチとティマヤトリムと一緒に魔術を学ぶことになって、わくわくしていたけど、
「最初に言っておくよ。基礎ができていない状態でなんとなく魔術を使うのは禁止です。命に関わることなので、守れないなら破門して、魔術は教えません」
師匠の話を聞いて、切り替える。
弟子3人が真剣に話を聞く状態だと確認した後、師匠は話を始めた。
「魔術は、魔力を術式で制御して、望み通りの結果を起こすもの。だから、魔術を使うために必要なものは3つ。魔力、術式、制御」
テーブルの上に人、杖、手で杖をこする動作の絵が並べられた。
“人、杖、手で杖をこする動作”がそれぞれ、“魔力、術式、制御”に対応していると説明された。
「まずは魔力について確認しましょう。順番に、【自動発光】の術式を刻んだランタンを持ってくれる?」
弟子の3人で順番にランタンを持つ。
エグチとティマヤトリムが持ったときは発光し、私が持ったときは光らなかった。
「これって、私は魔術が使えないのですか?」
「違うわ。魔力を作る機関が体内にないだけよ。生命力を魔力に変換する機関を用意すれば使えるようになるから大丈夫」
「よかった」
エグチとティマヤトリムは手を繋ぎながら質問する。
「師匠。おれとティマヤトリムは、魔力を作る機関が体内にあるってことですか?」
「そのはずです。ただ、念のためにリミッターとかの安全策は用意しておきたいので・・・ちょっと3人分用意しますね」
師匠はそう言って、本で何かを確認しながら、首飾りを3つ用意してくれた。
首飾りには、赤子を抱く女性のレリーフがついていた。
「この首飾りは子供を守ってくれるものなので、肌身離さずつけておいてください」
「「「はい」」」
「じゃあ、術式について教えたいところなんだけど・・・この中で文字が読める人、手をあげてー?」
誰も手をあげなかった。
弟子の3人は、文字の読み書きができない。
「じゃあ、まずは文字の読み書きをしましょう。魔術書の読み書きや、術式を書くのも、魔術の計算にも、文字の読み書きは使いますから」
「「「はい」」」
***
それから、文字の読み書きをする日々が続いた。
「他国から来て覇王国で生まれて育った子供たちが、他国に戻って覇王語を使うので、今では覇王語が大陸共通語になってます。だから、最初は覇王語を覚えましょう」
覇王語の文字、単語、文法、それぞれをだいたいできるようになった頃には2年経過していた。
覇王語の文字の読み書きを覚えたときには、5歳になっていた。
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