トイレ・ラン

ごりこ

第1話 最初で最後のトイレ・ラン


 俺、運河光太は今公園に向かって走っている。

理由は聞くな。公園にはトイレ、この言葉で察してくれ。


「うおおおお!!!これが帰宅部のエースの全力だぁ!!」


 失礼、叫んでいるのは俺だ。ブツを我慢した影響で少々お腹を痛めてしまっていてな、正直叫ばないとやっていられないn…「きゃーっ!いっけな~い!遅刻遅刻♪」


 まっずい!!このセリフを聞くに、どこの馬の骨とも知らんJKが曲がり角から曲がってくるようだ。非常にまずい……もしこれで衝突なんてしたらラブコメ展開が発生してしまって大きく時間をロスしてしまう!!!


 こうなれば最終手段だ。スキル、【恥捨ての走り!!う〇こダッシュ】ゥ!


 スキル【恥捨ての走り!!う〇こダッシュ】とは、発動時に10秒間だけ通常の2倍の脚力で走ることができ、自身の痛覚を遮断する力。ただ代償として、10秒後にはう〇こをとんでもない姿でまき散らしてしまうというデメリットを背負った最悪のスキルである!!


「うおおおおお!!!間に合えええええ!!!!!」

「きゃぁあああああっ!!」


ふっ、とりあえず角待ち(※待ってはない)JKは回避した。

残りは公園に向かうのみ!!


「うおおおおおおおおお!!!」

「ねぇねぇ、お母さん。あれなーに~?」

「シッ、見てはいけません!」


トイレまであと100m!!

残りのスキル持続時間は3秒!!


……あれ?これだめじゃね?


2、1、0。


「ぐわあああああぁぁぁぁ!!!」


ブリュウウウウゥ!!!!!!ブリブリブリィ!!ブチチブリィイ!!!

ブリブリブリィィィィ!!!!!


もう、これからはトイレは我慢しないって誓います。


~完~



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

トイレ・ラン ごりこ @koa010

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画