第11話 メモリーの報告と魔人戦

 テレポートして森の入り口付近についたとき、メモリーから、

(さっきのグレーターデーモン戦でまた新たに分身体のスキルが解放されたよ。条件はグレーターデーモン撃破だったみたいだね。それと、森羅万象で見れる情報も増えたみたいだよ。)

と報告を入れてきたので、

(ありがとう。メモリー。やっぱり、これは個人用だよね?)

と確認すると、メモリーは、

(うん、そうだね。ただ、付与はできそうだよ。帰ってからやってみたら?あと、このスキルは、一応熟練度があるみたいで、最初、一気に作れる分身は3体までらしいよ。)

と教えてくれたので、

(ありがとう。メモリー。)

と言いながら森の奥に歩いて行った。そうして、だいぶ森の奥のほうに来たら、アイリスと一緒にいったん身をひそめると100mほど先に分身体を1体出し、自分自身で操作して嫌な気配のするほうに歩かせていった。すると、しばらくして、あまりにも練度の低いディメンションウォールが張られているのを発見したので、アイリスに、テレパシーで、

(見つけた。けど、ディメンションウォールで囲われてるみたいだから、もう少し近づいてディメンションブレードを叩き込むよ。この分だとテレポートでよけられると思うけど。中にいるのは魔人ぽいけど、魔王から力を借り受けているっぽい。ディメンションウォールの練度が低すぎる。魔法が使えない身で分不相応な力を受けた時しかこういうことにはならないし。)

と伝えると、アイリスは、

(わかったわ。行きましょ、カイル。)

と弾んだ調子で伝えてきて、そーっと歩き始めたので、気配を消す、ハイドという魔法と、姿を消すインビジブルという魔法を作って、それらを僕ら二人にかけて歩き始めた。ただ、魔力は完全には隠せないので、周囲の魔力濃度と同等になるまで落としておいた。そして、だいぶ近づくと、いったん止まって、隠蔽をかけたまま、ディメンションブレードを放ったと同時に隠蔽が解け、それと同時にディメンションウォールを飲み込んだディメンションブレードをテレポートで避けた魔人が目の前に現れ闇の魔弾、ダークバレットを乱射してきたので、ディメンションサーチを全開にしたまま、絶対切断、メルトスラッシュ(メモリーに剣技の名前を教えてもらった。)を重ね掛けし、ヘイストをかけてアイリスが

「ホーリーウォール!!」

と聖属性の防御魔法を唱えたのを横目で確認しながらそばを離れ、念のためディメンションウォールに無限牢獄を重ね掛けし、ホーリーウォールの後ろに展開させた。そして、Ⅻ(ラストスピード)まで引き上げた瞬間、向こうがディメンションウォールを展開したので、ディメンションリープを発動、ディメンションウォールで囲まれた内側に入ると、居合の要領で刀を引き抜き、反応する間も与えず斬撃を加えると同時、ヘイストを解除、魔人の消滅とともにディメンションウォールが解けたのを確認したのち、急いでアイリスのところに戻って抱き着いてきたアイリスを抱きしめ、くるりと回って離れ、二人して、

「いぇーい!!」

と言いながらハイタッチし、

「じゃ、帰ろう!」

と言って、テレポートで僕の家に帰った。そして、家に着くとアッシュとアイリスに渡した魔石に分身体のスキルを付与して、今日のところは解散となった。


第1部   完

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