第7話 魔道具開発・説明と手渡し
メモリーとの話し合いが終わった後、しばらくアイテムボックスに自分の服とかの荷物を入れていた。そして、部屋の片隅に置いていたミノタウロスの魔石を入れようとしたところ、メモリーが、
(ちょっと待って!!その魔石、魔道具に加工しよう。)
と言ってきたので、とりあえず、魔石を地面に置き、メモリーに、
(どうすればいいの?)
と尋ねると、メモリーが、
(とりあえず、その魔石、16等分してくれる?その大きさで十分だから。)
と言われたので、剣を取り出してディメンションホームに入り、絶対切断を載せて5閃、魔石を16等分した。そして、そのうち2つを取り出しておき、メモリーに、
(どうやって付与するの?)
と訊くと、
(魔法の発動待機状態の魔力をそのまま魔石に入れて。今回の付与はテレポート、ワープ、アイテムボックス、ディメンションホーム、ディメンションバリア、テレパシー、この6つでいいんじゃない?)と言われたので、同種類のものを並列起動して順番に付与していった。それが終わると、魔道具のテストのため、魔力を込めてみると、無事起動でき、最後に、特定の魔力を認識する機構を取り付けてそれ以降は魔石をアイテムボックス内に放り込んでおいた。そして、そのままアイリスの家にテレポートした。アイリスの家に着くと、扉を3回ノックした。すると、アイリスが、
「は~い、少々お待ちを。」
と言いながら扉に近づいてガチャッと開け、目の前の僕を見て、
「あ、カイル!!」
と言いながら飛びついてきたので、抱きとめつつくるりくるりと2回転ほどしてアイリスを地面に下した。そして、アイリスが、
「急に来たみたいだけどどうしたの?」
と訊いてきたので、
「ああ、魔道具作ったからプレゼントしに来たんだ。この後アッシュのところにも行く予定。とりあえず、はい、これ。ミノタウロスの魔石から作ったんだ。」
と言って、アイテムボックスから魔道具を取り出してとりあえずディメンションホームを起動した。そして、自分たちを取り込んだ形で発動し、アイリスに魔道具を手渡した。そして、
「その魔道具、アイリス専用にするから、魔力を通しておいて。」
というと、アイリスは、
「わかった。」
と言いつつ魔力を少しだけ注いでくれたので、
「 ちょっと貸して」
と言うと、アイリスは、
「はい。」
と言って、魔道具を手渡してきたので、魔力を流すと、勝手にテレポートが発動してアイリスの元に戻って、
「ええっ!?」
とアイリスがびっくりしていたので、
「とこんな風にアイリス以外が使おうとするとアイリスのところに戻るように作ったから。」
と説明すると、
「これ、すごいね、カイル。」
と言いながら飛びついて頬にキスしてきたので、急だったのでびっくりして、顔を真っ赤にしてしまったが、しかえしとばかりにおでこにキスすると、アイリスがボッと音を立てそうなほど一気に顔を真っ赤にして、
「きゅぅ」
と鳴き声のような音を発しながら恥ずかしがっていたので、
「とりあえず、使い方説明するよ。」
と言って、説明を始めた。
「まず、魔力を魔道具に注ぎ込んで。そうしたら、テレポート、ワープ、アイテムボックス、ディメンションホーム、テレパシー、っていう選択肢が出るよね。今はもしかするとディメンションホームは出ないかもしれないけど。」
というと、
「あ、確かに出てるよ。」
と教えてくれたので、
「じゃぁ、1番分かりやすいアイテムボックスを選択してみて。」
と言いつつ、自分自身もアイテムボックスを発動した。すると、
「あ、なんか白い穴みたいなのが出た。これがアイテムボックス?」
と訊いてきたので、
「ああ、そうだね。それがアイテムボックスって言って、生物以外は何でも入れられるよ。生物でも死んでいれば入れられるし。」
と説明をした。そして、
「使い方、分かった?」
と訊くと、アイリスは
「うん、素敵な贈り物をありがと、カイル。」
と満面の笑顔で答えてくれ、しばし見惚れて返事を忘れて見入ってしまったが、アイリスの、
「カイル?」
という言葉ではっと我に返り、とこちらも同じく、満面の笑顔で
「うん、どういたしまして。」
と言いつつ、ディメンションホームを解除した。そして、
「じゃぁ、またあとで。」
と言って、今度はアッシュの家の前にテレポートした。着いてすぐに家の扉をノックすると、アッシュの母、アマーリアさんが、
「はいは~い」
と言いながら扉を開け、扉の前の僕を見て、
「あ、カイル君じゃない。どうしたの?アッシュに用事?」
と訊いてきたので、
「はい。ちょっと渡したいものがあって。」
と伝えると、
「ちょっと待っててね...アッシュ、呼んでくるわ。」
と言って、いったん扉を閉め、アッシュの部屋のある2階に上がっていった。そして、しばらくしてアッシュと一緒に降りてきて、
「カイル君、お待たせ。連れてきたわ。」
と言って、アッシュに、
「少しくらい外に出なさい。」
と言って、玄関の扉を閉めた。そして、僕は、先ほどと同じく、僕らを中に入れる形でディメンションホームを発動し、アイテムボックスから魔道具を取り出し、魔力を注いでもらってアイリスにしたのと同じ説明をしていったん自分の部屋にテレポートして、忘れ物がないかを確認し、少し休憩した。
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