おまけ 母たちの話し合い
ーーーーーside アイル(カイルの母)ーーーーー
私は事前に用意しておいた花火の魔術を打ち上げ終わり、カイルがアイリス、アッシュのところへと向かっていく後姿をチラチラ見ながら、アマーリア、イリスを探していると、2人が右手側と左手側から人を探しているような状態で少し見当違いの方向へ歩いているのが見えたので、
「アマーリア、イリス、こっちよ~」
と手を振りながら言うと、二人同時にこちらを見つけて、
「「やっと見つかったわ。ありがとう。」」
と言って、こちらに向かってきた。そして、私は、
「思ったんだけど、カイル、アイリス、アッシュ、あの3人でパーティーを組んで冒険者をやりそうよね?」
と二人に向かって訊いてみた。すると、
「ああ、確かに。でも、大丈夫かしら?」
とイリス。
「どういうこと?」
と訊くと、
「いえ、あの3人だけではちょっとバランスが悪いように思うのよ?どう見てもアイリス、カイル君にべた惚れでしょ?」
と言われて、
「ああ、なるほど。でも大丈夫だと思うわ。昔話で、魔法を使う勇者の物語があるでしょう?そのパーティーメンバーは最初、魔法を使う男の子と、魔術しか使えない女の子と男の子だったけど、後から女の子が入って魔術しか使えない男の子にくっついて勇者様は天界に行って神になったけど、魔術しか使えなかった男の子とその奥さんは地上で余生を過ごしたっていうじゃない。だから、たぶん、そういう出会いがあると思うわ。アッシュ君にも。」
と言うと、
「でもそれ御伽噺じゃない。」
とイリス。
「でも、魔法っていうのも御伽噺にしか出てこなかったけど、カイルが使えるってことはあるってことでしょ?じゃぁ、そっちもない、って決めつけるのはよくないんじゃない?」
と言うと、
「確かにそうね。決めつけはよくないわね。」
と話していると、カイルたち3人がきて、
「ぼくたち、冒険者になろうと思う。」
と言われ
「やっぱりそうなるか。世界を見ておいで。」
と伝えると、
「ありがとう。母さん。」
と言われたので、カイルたちが去ってから、
「「「ハハハ。思った通りだったわね。」」」
と見事にハモって、それがおかしくて顔を見合わせてくすくすと笑った。
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