第1章 エナス村
第1話 始まり
次の朝起きると、少しどんよりした曇り空だった。少し嫌な予感がしたが、それほどでもなかったので気に留めず、すぐに着替えて朝食の支度をしに階段を下りてリビングに向かった。すると、珍しく父さんがまだいたので、
「あれ、今日はいつもより遅いね、父さん。」
と聞くともなく聞くと、父さんと母さんがそろって、
「成人おめでとう、カイル。」
と言ってきたので、ああ、なるほど、それでか、と思いながら、
「ありがとう、父さん、母さん。」
と答えると、母さんが、
「カイル、今日の夜ご飯は成人祝いに豪華にするわね。楽しみにしていてね?」
と伝えてくれたので、
「うん、わかった!!ありがとう、母さん。」
と答えて、朝食を食べ始めた。朝食を食べ終わると、朝の鍛錬のため、昨日と同じく、自分の部屋から訓練用の鞘に入った鋼の刀を持って、村の南西端にある門近くの広場に向かって歩いていった。そして、素振りを300回ぐらいやっていたところで、村の外側にある森の中から、ドーン、ドーンと何やら不気味な音が聞こえ、恐る恐る村の門の外に様子を見るために出ていくと、激しい縦揺れとともに、先ほどの音が小刻みで大きくなって、揺さぶられて戻れないうちに、牛の頭をした人の2倍以上の大きさの人型の魔物が手に持った大きな斧を振りかざして僕の横からこちらに突っ込んできて、その斧を僕に向けて振り下ろしてきたので、咄嗟に前に転がって斧をよけると、地面に斧がついた瞬間、激しい揺れとともに地面が陥没して、僕は、
「 うわぁぁぁぁぁぁぁ~」
と叫びながら地面の下に投げ出された。その後、穴の底でしりもちをついて、立ち上がって顔を上げると、目の前にとてつもなく心を惹かれる本があり、それに向かって行って、手を触れるとものすごい速度で本がめくれ、虹色の光が放たれ、頭に、魔法という体系の奇跡に関する情報が流れ込んできて、想像するだけでどんなことでも起こせるということが分かった。一方、魔物の方は咄嗟にジャンプできたのか、全く問題なく地面に戻り、そこから淵から覗き込んで問題なく下まで飛び降りれることを確認した後、飛び降りて、
「ウォォォ~」
と雄叫びを上げて、僕に向かって突進しようとしているのが分かったので、体と武器を強化するイメージをして、その魔物の頭の方に一気にその距離を詰めて、移動し終わった瞬間、横薙ぎに一閃すると、スンッ、と何の抵抗もなく首を刎ねた。そして、その魔物を蹴り飛ばしてバク宙をし、スタっと地面に降り立った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます