無能と呼ばれた魔法士、世界最強~人類唯一の魔法使い、その力で人類を救う旅に出る~
風涼光
プロローグ
「おい、無能!!俺と勝負しろ!!」
と、夕飯前の剣の鍛錬をしていた僕に、幼馴染のアッシュが声をかけてきた。それを聞いた僕は、またか、と思い、はぁ~、とため息をつきながら、
「いやだよ。どうせ負けるのに。」
というと、アッシュは、なおもしつこく、
「いいじゃねぇか、やろうぜ。」
と言った途端、後からやってきた同じく幼馴染のアイリスに、手に持ったハリセンで頭をバーンと音が鳴るほど、思いきり叩かれて、
「痛(いった)ぁ、何すんだよ、アイリス。」
と抗議していたが、
「あんたがカイルを困らせようとしているからじゃない。いっつもいっつも!!何してんのよ!! もう!! この馬鹿!!」
と一蹴されて、さらに追加で身体強化した状態で足を蹴られていた。そして、蹴られた右足を抱えてぴょんぴょん飛び跳ねながら家に向かっていった。その様子を見て笑っていた僕は、アイリスが今にも花が咲きそうな満面の笑みを浮かべてこちらを向いて、
「あ、カイル、あなたのお母さんから伝言なんだけど、ご飯もうすぐできるから帰ってきなさいって。」
と言ったのを、アイリスの笑顔があまりにも可愛くて見とれていて、危うく聞き逃すところだったが、咄嗟にハッと気付いて、
「うん、わかった。ありがとうアイリス。」
と笑顔で返して歩き始め、そのまま振り返ることなく家に辿り着いてしまったので、立ち去った後でアイリスが僕の笑顔に照れて下を向いて悶えていたのは見逃していたのだった。
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