第4話

ほっと一息ついたところで、俺は気づいてしまった。

この流れだと、あれも来てしまう流れではないか。

そう。

幻 獣 サ ン ダ ー ポ メ ラ ニ ア ン 。

あ、でも、雷と共に訪れる幻獣だから、今のところは大丈夫か、と青空を見上げて思い直す。

・・・と、みるみるうちに暗雲が立ち込めてくる。そして雷鳴。

あーあ、余計なフラグ立てちまった。


(幻獣サンダーポメラニアンのテーマ曲)

ゲン♪ゲン♪幻獣サンダーポメラニアン♪

雷鳴と共にワオーン(ワオーン)♪

山の谷間にワオーン(ワオーン)♪

触るとビリビリ刺激的♪

あっという間に感電死♪

危険 危険 かわいいけれど危険なポメちゃん 幻獣サンダーポメラニアン♪


レトロアニメっぽいテーマ曲と共に現れたのは、全身の毛がぼわぁぁとなった(静電気的な)毛玉。その周りで電光がぱちぱちとショートしている。あれは触っちゃいけないやつ。間違いない。

まったく、次から次へとわけの分からないピンチが訪れるもんだぜ。またもや絶体絶命。

「どうする?」

子どもが不安そうに俺の顔を見上げる。

「心配するな、なんとかする」

なぜなら、俺は「なんとかする男」だからだ。よし、自分が話したホラ話を思い出せ。そこに攻略のヒントが・・・


あれ、ないな。全くもって皆無。ノーヒント。


思い返せば、サンダーポメラニアンについては、そのヤバさしか話してなかったわ。どうやって倒したとか、何も考えてなかった。


・・・ふっ、詰んだな。

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