8/22【木】曇り―14日目―

最近の朝の恒例になっているお花チェック。


さて今回の花は……『黄色』。


最初に咲かせた花と同じ色だ。


いつお金がもらえるかわからないから、とりあえず今日は友達の家へ遊びにでも行こうかな。


―――――

―――


夕方に帰宅して家の玄関を開けると、リビングから楽しげな声が聞こえてくる。


「ただいまー」と言いながらリビングのドアを開くと、お父さんとお母さんの笑顔が飛び込んできた。


「おお、お帰り!今日はお寿司だぞ!」


お父さんが椅子に座りながらテーブルのお持ち帰りのお寿司の盛り合わせを指差し、ほら座って座ってと手でボクを誘導して着席させた。


「何かのお祝い?」とボクが聞くと横に座っていたお母さんが、


「あのねお父さんがスクラッチ宝くじを当てたのよ!」と興奮気味に答えてくれた。


「え⁉何等?」と向かい側に座っているお父さんに聞くと、


「ふっふっふ、実はな……」ともったいぶるような言葉にボクはゴクリと喉を鳴らす。


まさか1等⁉とドキドキワクワクしていると、


「なんと3等の2万円‼」


とドヤ顔満載でお父さんは答えた。


ボクは心の中でズルっとずっこけた。


まあ3等もすごいんだけど、期待していたよりも全然低かった。


なんとも言えない気持ちで「へぇ~スゴイ‼」とお父さんお母さんの機嫌を損ねないように驚いた演技を見せた。


「そうだろうそうだろう。あ、そういえば最近みのる宿題頑張って終わらせたんだっけ?ご褒美にお小遣いをあげよう」


お父さんがポケットから財布を取り出し、数枚のお札をボクに差し出した。


1000円札が3枚、つまりは3000円。


「わーい!ありがとー‼」


とさっき同様演技で喜んで見せた。


まあ実際嬉しいは嬉しい。


だけど“お願い”としてはスケールが小さくないか?


お父さんにたくさんボーナスあげてって言ったんだけどなぁ。


なんかもっと大きい“お願い”を叶える方法があるのかな?


そんな考えごとをしながらサーモンのお寿司を食べ、なんだかんだ満足した1日を過ごした。

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