第17話 順調かと思いきや……😨
増えた土地だけど、ぎゅうぎゅう詰めに畑や果樹で埋め尽くすのはやめて、少しスペースを取っておくことにした。またいつノームのおじいちゃんに会えるかわからないし、その時までに植えたいものや建てたい小屋なんかが増えたら困るからね。
というわけで、スペース的にはあと一つくらい小屋を用意できるんだけど、ニワトリ小屋は白チームの一つだけにしておいた。それでもタマゴは十分な数が手に入る。
ピクシーの料理レパートリーも増えて大満足。この前はオムライスにプリン、ホットケーキも作ってくれた。あの子たち、料理上手! しかも、こっちだといくら食べても太らないしねえ。こりゃ、たまりませんなあ。
さらに最近は掲示板で資材以外にも、岩塩やコショウ、蜂蜜やメイプルシロップなど、食材も交換してもらえるようになった。
特にエルフは毎回蜂蜜をたっぷりくれるんだよね。あとドワーフは岩塩と交換が多め、とか。ある程度キャラでくれるものが決まっているみたい。
その分、一度に入るリクエストの量も増えたから大変だけど。リンゴは100個は時間を待って収穫するだけだからまだいいとして、リンゴジュース50杯分とか、果汁を絞るピクシーの手が気の毒だったよ。まあわたしも絞ったんだけどさ。
あの子ら、三匹で日給50コインだよ。よく働くよねえ。
🍃
ゲームにログイン。いつものようにベッドから始まる。
最初は硬かったマットレスも、今じゃフカフカなものに変更した。
天蓋付きの王族ベッドには程遠いけど、それもいつかは叶えて……あー、今日も天気がいいなあ。晴れやかな青空が広がっている。
……青空が広がっている?
……????????……
なぜ。空が見えるの??
ガバッと起き上がる。
お、おかしいな。なんだか認めがたい光景が広がっているけど、間違って別のゲームにログインしちゃったかな。変な汗が出てきた。ちょ、ちょっといったんログアウトしよう。
🍃
……やっぱり空が見える。
何故、屋根がなくなっているのでしょうか?
いやそれだけじゃない。屋根が見当たらなくなっているだけじゃなく、窓ガラスは割れているし、クローゼットの扉は外れて倒れている。その扉の裏に取り付けていたはずの鏡は粉々。足元の敷物はぐっしょり湿っていた。
「泥棒……じゃないよね。泥棒が屋根吹っ飛ばすわけないし。というか」
徐々に現実?というか、まあゲーム内の現実が頭に染み渡って来ると、次は同居人の安否に焦りが出てくる。
「ピクシー!! ねえ、大丈夫、ぴー、くー、しー!!」
名前を呼びながら駆けよる。キッチンのドアも外れて倒れてしまっていた。中の惨状ときたら。冷蔵庫は中身をぶちまけて転がっているし、食器棚は崩れ落ちるように潰れている。足の踏み場もない中、声を張り上げる。
「ぴー、くー、しー!!」
この状態では壁の中のピクシー部屋もどうなっていることか。一応、キッチン部分の屋根は半分は残ってるし、壁はちゃんと立っているけど……。
一体、何があったの!!?
ピロンッ♬
【ハリケーンの被害に遭いました】
ハ、ハリケーーーーン!!???
ちょっ、何それ、そんなの聞いてないんですけどっ。
どうすんのコレ。
っていうか、ピクシー。あっ、それから外にはニワトリちゃんたちもいたんだっ!!
エエエエッ、嘘でしょ、こんなのあり得ないんですけどォォォ!!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます