第7話 アバターのビジュアル変更しよう

 ピロンッ♬


【普通の窓を設置しました】

【経験値がアップします】


 インテリアの項目を見ると窓があったから、さっそく設置した。25コイン消費。どのレベルの時から開いてたんだろ。ぜんぜん気づいてなかったなあ。もっと早く設置したかったよ。いくら小さなワンルームでドアはあるとはいえ、窓一つない部屋なんて息苦しいったらない。


 それにしても「普通の窓」とあるだけあって、ほんとフツー。

 スチール製?かな銀色のよく見かける四角い枠の窓だ。それでも二つ設置しようとしたら……。


【設置できませんでした】


 だって。どうもまだこのレベルでは家に窓を二つ備え付けてはだめらしい。現在レベル7。賑やかな庭になってきているし、けっこうゲームも進んだと思ったんだけど、まだ窓一つだけしか持てない身分なんだってよ。ケッ。


 でもいい。気を取り直してインテリア項目を眺める。まだまだ増やせそうなアイテムがいっぱいある。


 ピロンッ♬


【シンプルなラグを入手しました】

【小さなクローゼットを設置しました】

【クローゼットの扉に鏡のオプションを追加します】


 おおっ、家らしくなってきた。

 窓もなく安っぽいベッドだけだと囚人みたいだったもんな。

 これでまともな生活を……。


 ピロンッ♬


【鏡を入手したのでビジュアル変更ができるようになりました】


 おおっ!?

 ウインドウに新たな項目が増えた。キャラクターデザインだって。

 っていうか、ビジュアル変更って今使ってるアバターのことだよね。


 鏡があるから自分の姿を映してみる。手や足を見るに人間なのはわかってたけど、顔を確認するのは初めてだ。


「うっわ……」


 フツー。え、何か表現しがたいほどフツーだ。無個性のかたまりみたいな。

 これはこれで貴重だな。

 一応、女の子のアバターで、黒髪のおかっぱなんだけど、見ようによっては男の子にも見えるやつ……よし、変更だっ。もっと可愛くしよう!


 🍃


 かーんせー! 


 鏡の前でじろじろ眺めてみる。悪くない。標準アイテムだけでもいろいろ遊べたから、アフロにしたり金髪にしたりモヒカンにしたりして冒険したけど、やっぱフツーが落ちつくよね。


 髪色も瞳も肌の色も、リアルと似た色を選択。ま、黒髪にと肌はベージュですわな。髪の長さはセミロングにしたけどこれは気分で変えるつもり。顔のパーツは少し目を大きめに鼻は高めにした。す、少しだけね。絶世の美女にはしてないんだから。


「服も選べるっ」


 ってことで、こっちでもひとしきり標準装備で遊ぶ。


 でもま、落ちついたのは結局白Tとウエストゴムのゆるっとしたパンツ。だってバーチャルだけど着心地が再現してあるからさ。窮屈なのやピラピラ邪魔になるやつは嫌なんだもん。庭仕事だってするんだしね。


 というわけでエプロンも装着。ブルーのギンガムチェックで大きなポケット付き。

 ガーデンブーツは緑色にして紐で編み上げるタイプ。リアルだど着脱面倒だけど、そこはバーチャル。一瞬でスリッパにだって変更できるからココはビジュ重視で!

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