最終三部作
最終三部作・第23話〈百鬼:一部〉
※お祓い済みです。
第一章
それを皮切りに、本来なら現実に現れる筈がない怪異が実態となる。
そこへ新種族観察者『
ドッペルワンと呼ばれた影と鏡から産まれた怪異は、避けられぬ懐疑スタッフの
第二章
一方、大学1年生となった
時々SNSに話題として上がるクリーチャーの存在が、
前に
そこへ、もう一体新種族が現れた。
「先程の新種族…つまり私達の元仲間を見ても驚きはしない。君が
それにこいつは一体?
謎が深まる
「私は君の活躍を知っている。
謎のクラゲもスタッフに採用するとは。
人材不足過ぎてこんな胡散臭いタイプをスタッフにするなんて世も末だ。
今回はあまり非日常へ関わりたくない
「君の大学生活は
何が目的なのだろう?
それなら何故、
「新人スタッフだから知らないかもしれないから教えておこう。俺は
新種族のスタッフは沈黙する。
名刺を
と伝言を残して去っていった。そしてこのエピソードには別の側面も。
第三章
避けられぬ懐疑〈
インフルエンサーは高校を卒業し、今まで蓄えた資金と共に活動を続けているので余裕があり、更にぞうすが望んで幸せにして欲しいと言って餌となった人間の資金と資源を貰っていたので彼女の大学生活もぞうす自身の幸福も満たされているのだった。
だがそれは永く続かず、抵抗出来るからと無視していたぞうすの破片が主達へ刃を向けようとしていた。
何故そんな事をするのかと疑問に思うぞうす達。
そこである男性が暗躍していた。 ぞうすは彼の動向を見張っている。
「
クラゲのような謎の生物と共に自分の破片から産まれたクリーチャーが協力している不思議な絵面にぞうすと彼女は不安を隠しきれなかった。
第四章
自分の名前すら知らないがいくつもの
ある心霊番組スタッフの少年の姿を気に入り、
海外から来た
何の因果か水辺を泳ぎ回っていたら
映像までは消せなかったが
自分達はこれからどうして行こうと考えていた。
だが答えは見つからない。
「俺の都合であんたを
一度に色々起きすぎた。
「あんたは俺よりも古参みたいだ。俺は…
「ここは少し話さないといけないようだ」
「助けてくれてありがとう。俺の名前は…この国では長い。イト、と読んで欲しい」
知性もあり、可愛くもある。
貴重な仲間と出会って喜んでいるのは自分の方かも知れない。
「俺は…カガミ、でいい。影と虚像…そこから情報を摂取して産まれたのが俺という怪異だ。
誰にでも化けられるし、記憶も引き継げる。
イトが過去からいる怪異なら、俺は現代が産んだ
イトは笑う。
「唐突にやってきて驚いたが、君は恩人だ、カガミ。しかし人を食べてしまった所を君の擬態元にバレてしまった。それに観察者。 永住には成功したがトラブルに君を巻き込んでしまった。こちらこそすまない」
なあに。 気にするな。 そう言った後に
「俺も人を殺した。セキュリティを利用する為に」
言い訳にもならない事実を伝え、イト一人だけ重さを背負わせないようにする。 少しだけ二人で空気を吸おうとランダムに抜ける場所を選んでいた。
ここにしよう。
辺りはすっかり夜で、あまり人が現れない場所を重点的に探していた。
「ここなら俺達も目立たない。もしもの時は逃げよう」
そうして鏡空間から抜けるとカップルが死んでいた。
そして見たことのある人間。
何故?
「へえ。お前まだ
イトが何者かの不意打ちを受け止める。
「相変わらず卑怯だね。けど、俺達が
「フッフッフ。自分タチガ何故ココへ呼バレタカモ分カラナイ奴ニ言ワレタクハナイ」
パートナーの新種族、とは違う声色。
イトが自分達を
「破片のクリーチャーと俺は手を結んだ。お前達
なんだと?
破片のクリーチャー?
俺達はそいつらに呼び出されたのか!
よく分からない事が立て続けに起きている。
だが、ここは帰してもらえそうにない。 妙な場所を選んで悪いとイトへ伝えたら「大丈夫」と返事があった。
俺達はいいコンビかもしれない。
「オ前達モ破片ノ一部ニナレ。
そんな理由で俺達を…けど、俺達も人を殺してしまったからなあ。
「だったら、俺達を部品では無くて部下にするってのはどうだ?勿論
こういう時こそふてぶてしく振る舞うのだ。
破片の気配はイトが探ってくれていた。
見た事がない謎の破片の気配とは言っても、それだけ異質なら目立つ
鏡と影の世界もなるべく神経を張り巡らせて構える。
どうやって俺達を利用するつもりなのかも気になってしょうが無い。
俺達の察知能力を持ってしても探れない破片と呼ばれるモノ。
「やはり探しているか! 」
当然俺達には効かないが…なるほど。クラゲが張り付いているような不思議な合体。
イトにアイコンタクトし、準備をする。 破片の脅威を気にしながらこの二人を相手にするのは骨が折れるよ。
俺達は虚像空間に身を隠しイトは牙で、俺はさっき鏡に映った鉄パイプを手に持ち分離を狙う。
「クッ!
「鏡の空間に仲間も連れて攻撃ねぇ」
はっ!考えろ考えろ!
こうしていれば
勿論、向こうも破片と契約している訳だから油断は禁物。
それなのに
新種族も分離せずともリーチを活かしてイトの牙や網を避ける。
思ったより戦闘センスが高いな。
フフフフフ。
俺達に対して笑ってるのか?
ハハハハハ。
こりゃ
すると地面と空中から無数の黒い手が
「「何!」」
予想外の出来事に驚く二人は黒い手によって連れ去られた。
「やはりそうか」
その声は観察者か。
それに人間を一人連れている。
「う、
「違う。彼は
「どういう事だ?契約違反か? 」
観察者はその映像を記録していた。
「動画として記録してあるが、まさか私の映像でも姿は見つけられなかった」
異色の俺達である力すら受けつけないか。
「
「そういえば先輩だったな。」
記憶があるから俺は当たり前のように話していた。
「本人より他人事っぽいニュアンスか。それにしてもよく見ると雰囲気が違う。カスタムなんて出来るのか? 」
「ま、まあ、その話は後だ」
思ったよりも研究対象を
何処の大学で何を専攻しているかの追求はやめておこう。
「カガミや観察者でも見失う程のモノか。俺の網でも見つからないなら、対抗策を練るのは至難の業だ」
打つ手無し、では無いんだよなあ。
だがこれはギャンブルになる。
破片よりも
「対抗策なら見つかるかも知れない。避けられぬ懐疑に、やたら秘密が多いメンバーがいる。 実はそいつにも俺はなれるんだ。だが…」
自分に有機的なセキュリティを設ける奴が。
「
〈百鬼:二部〉へ続く
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