第1期
「ブロンズの首」 上林暁 1974年 第1回
病室を整理していると、「私」はとあるブロンズの首を見つける。この青銅彫刻を、実家に送ることを「私」は考える。その彫刻は夭折の画家・久保孝雄によるものだった。「私」はそんな天才美術家との交流を思い返す……
本作は実名を出した私小説である。熱の籠もったヒューマンドラマの感動と同時に、文壇にいる人間だからこそ持っている、多くの著名人との交流には瞠目するものがある。
上林暁は脳溢血と闘いながら、執筆を続けた作家である。代表作に『聖ヨハネ病院にて』などの病妻を描いた作品のほか、『春の坂』『白い屋形船』などの私小説の秀作を多く発表した。病気のため、後期の作品は口述執筆が多く、「ブロンズの首」もまたそのような環境で書かれた作品である。
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