第28話 笑神様に嫌われた進次郎

 自民党総裁選演説会が大阪で行われた。小泉進次郎は抽選で最後を引いた。候補者が多かっただけに長時間を費やしていた。そこで進次郎は、受けを狙った。

 「閉会の挨拶を、と言いたくなるくらい皆さま、長時間有難うございます。よく起きててくださいました、と思いますので、ご挨拶をさせて頂きたいと思います。皆さん、おはようございます」

 会場は本人の予想に反して静まり返っていた。


 「ほんまやなぁ、ほなら、寝まっさ、おやすみなさい」


 会場からは笑いと拍手が起きた。お笑いの聖地大阪に喧嘩を売るとは度胸だけは褒めてあげよう。諸先輩たちの演説が詰まらなく、眠かったと批判して顰蹙を買ったに違いない。これが国家間で行われば大問題になるどころか、解散してすぐ解散に追い込まれ兼ねない大失態。バラエティ番組の救世主になる道も閉ざされてしまった。口を開くほど株価は下がり、黙っていると質問を理解できていないと言われ、立場と存在感が薄れていく。政治家の一言一句の重みを体感したことだろう。次なる笑神様は近日中に報じられるのは間違いない。楽しみに待つことにしよう。

 

 

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