第9章 月野影の学校生活

第27話 学校

月曜日の昼休み。私は鈴木と話していた。鈴木は、前にも言ったように、いつも私をからかってくるクラスメイトの男子だけど、今日はどういうわけかからかって来なかった。なんだか予想外で、ちょっと拍子抜けしたけど、思い切って話しかけてみたんだ。

「ねぇ、鈴木。今日はなんでからかわないの?」と、ちょっとウィンクしてみる。

鈴木はニヤリと笑って

「なんだよ、それ、面白いことないと思ったからさ」

と、反省の色もない素振りで答えた。

意外だなぁ。でも、そのせいで鈴木とのおしゃべりがちょっと楽しくなり始めて、今日の給食のおかずの予想をたり、最近のゲームの話をしたりして、あっという間に時間が過ぎてしまった。

真知子も話に加わってくる。真知子はいつも優しくて、私の話をしっかり聞いてくれるから、一緒にいると気分が良くなるんだ。

「ねぇ、真知子。あの映画見た?」

思わず訊ねちゃった。

「うん!めっちゃ面白かったよ。主人公が勇気を出して冒険するところ、感動した!」

真知子が目を輝かせながら教えてくれる。

それを聞いて、私も思わず興奮しちゃった。

「そうなの!私もちょうどそのシーンが好き。私たちみたいに、勇気を出して戦ったりする?」

鈴木はほほえんで

「お前、映画のヒーローみたいだな。その勇気、分けてくれよ」とからかってくる。

「うるさい、鈴木!」

つい反応しちゃう。だけど、なんだか楽しい雰囲気がただよってる。鈴木は苦手なヤツだけど、やっぱりおしゃべりっていいなぁ。

昼休みの終わりが近づいてきた。

授業開始のチャイムが鳴り、みんなが席に戻る準備を始める。

鈴木と真知子と一緒に過ごしたこの時間が、なんだか特別に感じる。

「また話そうね!」

そう言いながら、私たちはそれぞれの席に戻る。

真知子は、隣の席だけどね。

心の中にほんの少しの期待が芽生える。学校って、こんなふうに友達と笑い合えるところなんだ。これからも、もっと楽しい思い出が作れたらいいなぁと思う。次の休み時間が待ち遠しい。

そして、授業が始まるけど、何だか今日の私はいい気分。勇気を持って仲間と過ごすことで、毎日が冒険みたいになるんだと改めて感じし、鈴木と話してみるのもいいなって思った。

やっぱり私、学校が好き。

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