第8話 月と影(ムーン・アンド・シャドウ) 屋上の決戦!
またまた週末になり、土曜日。
私は家のリビングで、テレビを見ていた。画面には、ニュースがうつっている。
『また、ブルーライトに宝石が盗まれました。今回ブルーライトたちが盗んだのは、夜野家の家宝であるサファイア「星と夜」です。警察によりますと、今週の金曜日にブルーライトたちが夜野家に盗みに入っており、「星と夜」をマンションスターの屋上に隠したそうですが、まだそれ以上の情報は入手できていないとのことです』
えええ⁉︎
またブルーライトがサファイアを盗んだの⁉︎しかも、夜野さんちの家宝を⁉︎
私は驚きが止まらない。
ちなみに、マンションスターっていうのは、朝枝市にあるマンションのこと。
よおし、取り返す計画を立てなくちゃ!
私はテレビの電源を切ると、輝の家に行くために玄関へ向かった。
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「輝〜!またブルーライトがサファイア盗んだって!」
私は輝の部屋で、1時間くらい輝と喋っていた。
「また盗んだのか、あいつら」
「そうなの!今回は夜野家の家宝を盗んだって!」
「夜野家の家宝!?」
「そう!だから、明日取り返しに行こう!」
それを聞いた輝は一瞬、「あ、明日⁉︎」と驚いたけど、すぐに「いいぜ」と言ってくれた。
「それで?夜野家の家宝はどこに隠せれてるのか知ってるか?」
輝が私に聞いてきた。
「あんた、ニュース見てないの?」
「うん。今日はお前がくるまで、ずーっとゲームしてたからな!」
輝は、自分のベッドの上にあるゲーム機を指差した。
「へ、へえ・・・。で、家宝の隠し場所はね、マンションスターの屋上だって」
「なんでそんなこと知ってんのかよ」
「ニュースでやってた。 ふっふっふ。ニュースを見た方がお得ということを知らないのかね?輝くん。」
「なんか途中でキャラ変わってない?」
「あっ、バレた?」
「明日になったらサポートしてやる。新しい情報でも入ったら教えて。じゃ」
輝はそう言いながらゲームを始めた。
って、もう解散かーい!
「またね、輝」
私は輝の部屋を出ると、玄関に向かった。
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そして日曜日の夜。
月野家にある自分の部屋で、シャドウの衣装に着替えた私は、親に見つからないようにこっそり玄関に行った。もちろん、親には「輝の家に行ってくる」って言ってある。
「星と夜」を取り返しに行くんだ!
私は家を出て、マンションスターへ向かった。
「ねえ、輝。輝?輝?」
インカムから輝の声が聞こえない!
私は周辺を見まわす。
ええ!?輝が操作してるドローンもない!
ってことは輝、私をサポートするの忘れてる⁉︎
あーもういいや!1人で行こう。
あの輝がサポートを忘れるなんて・・・・。
私はそう思いながら、歩道を走った。
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マンションスターの屋上にとうちゃーく!
私は足を止めた。
上には、朝枝県警のヘリコプターが3機くらい飛んでいて、マンションの下にはたくさんの警官たちと観客(野次馬)、そしてテレビ局の人たち。
もう、お祭り騒ぎ!
そういえば今日は、怪盗ムーンも来るんだって!
どっちがサファイアを取り返せるか、対決だね!
にしても、ムーンの奴、遅いなあ。
「こんばんは、シャドウさん」
「ん?」
後ろから声がして、私は振り向いた。
「ムーン⁉︎」
後ろにいたのは、高い襟の黒いマント、赤いリボンのついた黒いシルクハット、黒いタキシード、紫の長い髪、といった姿のクールビューティーな怪盗だった。
「「「わあああああああ‼︎」」」
客たちが声を上げた。
私たちの姿は、マンションの外側についてるデジタルサイネージにうつっている。
「ムーン。このショーケースの中にある『星と夜』を先に取り返した方が勝ちね」
「OK! よーい、ドン!」
ムーンが言った瞬間、私はショーケースへと走り出した!屋上の角を急いで曲がり、ショーケースへと一直線!
しかし、私の目の前に立ちはだかる影があった。ダークスターだ!
ちょっと待って?こんなの聞いてないよ〜!なんでブルーライトがいるの〜⁉︎
彼らは私たちを止めるために待ち構えている。
「さあ、簡単に通さないぜ!」
ブルーライトの声が響く。
「邪魔しないで!」
私は思わず叫んだ。
私たちが前に進むと、ダークスターのメンバーのひとりが勢いよく飛びかかってきた。
「よっ!」
私は素早く身をかわし、ダークスターのメンバーたちの動きをよく見ていた。
「やった!」
ダークスターのメンバーの1人が倒れた。
私は歓喜の声を上げた。だが、その時、他のブルーライトたちが私たちを囲み始めた。
「まったく、簡単にはいかないわね」とムーンがつぶやく。
今は、仲間が必要!しかし、輝のサポートがないのに悔やまれる。
その時。
『行け、影!サポート忘れててごめんな』
インカムから、輝の声がした!
「ドローン!」
それに、輝のドローンも!
良かった・・・!
『影!次はあいつだ!』
輝が指示を出す。
輝が言った「アイツ」は背後から近づいてきた!
「私は負けない!」
声を振り絞り、私は全力でそいつに飛び掛った。
そして、得意なアクロバティックな動きを使い、彼を地面に叩きつけた。
マンションの周りにいた観客たちから歓声が上がる。
「シャドウ!ムーン!頑張れ!」
「ありがとう!」
私は返事をした。
だけど、背後から冷たい風が吹いた。
あっ!
「次はオレの番だ!」とブルーライトの声が響いた。
なにっ!?
「ムーン、背後!」
私は振り向き、ムーンに警告。
しかしすでに遅し、ブルーライトがムーンを狙っていた。瞬間的に、彼女の目が私に向けられた。思わず手を伸ばし、私はムーンを守ろうとした。
そう。今はムーンと、対決している場合じゃない!
私は、「星と夜」を取り戻すためには、ムーンと協力することが必要だと思った!
「私たちは絶対に諦めない!」その思いが、今の私を支えている。
「ムーン!協力しよう!」
私はムーンに言った。
「仕方ないわね・・・。シャドウさん、最後まで一緒に戦いましょう」
ムーンが笑顔で声をかけてくれた。その瞬間、私も顔に笑みを浮かべた。
その時。
「オレがなぜサファイアを盗み始めたかを教えてやる。オレが20代だった頃、初めて見た本物のサファイアの美しさに魅了されてしまった。そしてオレは、いつからか悪事を働くようになった。それを機に、サファイアを盗もうと思ったんだ!」
「「うわっ!!」」
私とムーンは催眠ガスをかけられ、眠ってしまった。
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『影、起きろ!おい影!』
私は起き上がった。
私はまだ、屋上にいた。
「ダークスターは!?」
私はあたりを見まわした。
・・・いない。
結局、ダークスターには逃げられた。
けど、サファイアを取り返すことができた。
「シャドウさん」
ムーンが起き上がった。
「ありがとう、ムーン」
私は言った。
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