第2章 月と影(ムーン・アンド・シャドウ)
第6話 ライバル登場!
翌日。
「ふぁぁ・・・」
私は、あくびをしながら登校していた。
「大丈夫?影ちゃん。夜更かしでもしたの?」
「うん。昨日、夜更かししちゃった・・・。ふぁぁ・・・」
もう、眠い!寝たい!
「大丈夫か、影」
輝が言った。
「ほんとに眠いの〜‼︎助けて輝〜!」
「おいおい影・・・」
私は一瞬、輝に寄りかかりそうになった。
その時、後ろから声がした。
「おはようございます、月野さんたち。それと・・・、佐藤さんに旭田さん」
後ろにいたのは、濃い紫色の長い髪に、紫の目、そして薄紫のリボンつきカチューシャをした、クールビューティーな同級生くらいの女の子だった。同じ中学のセーラー服を着ている。
あれ?誰だ、この人。
「私は夜野月子(よるの つきこ)。よろしくね」
え?今、夜野って言った?
「えええええええ⁉︎ あなた、夜野家のお嬢様⁉︎」
夜野家っていうのは、お金持ちの一家のこと。
すごい、そんな一家のお嬢様と会っちゃった!
「それではまた、どこかでお会いしましょう、月野さん。うふっ」
そう言って夜野さんは歩いて行った。
私たちは、それを見つめた。
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中学校にて。
3時間目後の休み時間、私は廊下を歩いていた。
「あら、月野さん。またお会いしましたね」
体操服を着た夜野さんが目の前にやってきた。
「夜野さん!もしかして2時間目、体育でしたか?」
「そうよ。月野さん、これから見ていてくださいね。オーホッホッホ!」
夜野さんは、口元に手をやりながら笑った。
にしてもすごいお嬢様キャラ・・・。
私は呆然とした。
「これから見ていてくださいね」って、どういう意味だろう?
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約1週間後の日曜日。
私は家のリビングのテレビで、全国ニュースを見ていた。
あっ、怪盗シャドウの事がやってる、すごい!
怪盗シャドウは、すっかり人気者になりました!やったあ!
『では、次のニュースです。新たに、怪盗が現れました。その名も、怪盗ムーン」
テレビに映る、女のアナウンサーが言った。
「ええっ!?」
私は、思わず叫んでしまった。
怪盗ムーン?
あれっ?最近、よく聞く名前だなぁ。
新たな怪盗・・・。
ってことは、私のライバル⁉︎ウソでしょ!
怪盗ムーンより、すごい怪盗になってやる!
私はテレビをの電源を切ると、輝の家に行くために玄関へ向かった。
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佐藤家の輝の部屋にて。
「へえ、怪盗ムーンかぁ」
私は1時間くらい、輝と話していた。
「そうなの!ムーンとかいうやつが現れたの!」
私は今、怪盗ムーンにちょっと嫉妬(しっと)してる。
「まあまあ、嫉妬するな。お前が怪盗をする中で、1番大切だと思うことやものはなんだ?」
「大切な、もの・・・?」
私は考えた。
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