第3話 初めての盗み
ついに、計画実行の日がやってきた。予告状も印刷して廃図書館に置いといたし、準備万端!
「おはよー、輝!」
午前9時。私は輝の家の玄関で、靴を脱いだ。
「影!今日はサファイアを取り返しに行く日だな、頑張れよ!」
「うん!」
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私たちは輝の部屋で、いろんなことを話していた。
「輝!衣装、昨日着てみたよ!すごく良かった!」
「そうか。よかった」
「ついに、憧れの怪盗デビュー!ワクワクしちゃう!」
「そうだ、影。こんなものも用意しといてあげたぜ」
そう言いながら輝が取り出したのは・・・ なんとインカム!
「うわあ、インカム!!やったー、ありがとう!」
「どうだ?これでいつでも会話ができるだろ?」
「うん!」
私は、インカムを耳につけた。
よおし、今日の夜はサファイアを取り返すために頑張るぞー!
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そして、夜9時。
衣装を着て、インカムをつけた私は、廃図書館まで走っていた。
確か、この近くには朝枝駅があって、そこに交番があったんだっけ。警察に見つからないようにしなくっちゃ!
廃図書館の前に着いた私は、ドアを開けて中に入った。
そして、中を歩き回る。
『おい、聞こえるか、影』
インカムから輝の声する。
輝は今、自分の部屋で、ドローンのコントローラーをいじってる。なぜかって?アジトを探索するためだよ!
私は、自分の上を飛んでゆく輝のドローンを見た。
「うん、聞こえる。にしてもここ、なんか不気味」
周りは、少し埃っぽくて薄暗い。ちょっと怖い。
『ここは、ダークスターのアジトだ。気をつけろ』
輝は、部屋でドローンのコントローラーの上につけているスマホを見た。
画面には、ドローンが撮影しているところが写った。
「大丈夫かな、影」
「輝、サファイアはこの中のどこにあるんだろう?」
私は輝に聞いた。
『待て。今はしゃべるな』
輝はスマホの画面を見て何かに気付き、少し黙っていた。
『・・・、サファイアの隠し場所は多分あそこだ。影、オレが操作してるドローンについてけ』
「わ、わかった!」
私はドローンを追って走り出した。
私には1つ、気になることがあった。
予告状を出したはずなのに、『ダークスター』たちは何にも警備をしていない。もしかして、予告状が届いてない?そんなはずはない!
だとしたら、なんでこんなすいすいいけちゃうんだろう。
サファイアを盗まれちゃうのに、『ダークスター』たちは警備を1つもしてない。
そんなの、おかしい。
急に、ドローンが止まった。
私は足を止めた。
「急にどうしたの、輝?」
『・・・、よく前を見ろ。』
「え?」
私は、輝に言われて前を見た。
ええええええええ⁉︎
そんなの聞いてない!
一瞬、叫びそうになっちゃった!
目の前に、『ダークスター』のメンバーが全員いるんだけど⁉︎
これから、こいつらと戦うのか!頑張らなきゃ!
そのとき、ボスのブルーライトが言った。
「よくきたな、怪盗シャドウ!サファイアを取り返せるもんならやってみろ!」
「わかったわ。必ずサファイアを取り返してみせるんだから!」
『その調子だ、影!』
こうして、私とダークスターの戦いが始まった。
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