第4話 陸の本気?
そうしてそいつの後ろに着いていくと、人気のない校舎裏に着いた。僕をこうやって呼んで虐める時は、約八割がこの場所を選ぶ。それ程、人気の少ない場所なのだ。
「お前、川上紫苑に少し仲良くしてもらえたからって調子に乗りやがって。ふざけんじゃねえよ」
「別に調子になって乗ってないが」
「そうやって反論するところだよ!お前は大人しく殴られてればいいんだよ!」
そんな理不尽な。そうしてそいつは、俺に殴りかかってくる。最初はそれだけで済んでいたのだが、何故かそいつは、段々とヒートアップしている。
そして...
「お前みたいなやつと俺が同じクラスだなんて、意味がわからねぇ。俺に一切の反抗も出来ないくせに」
「してないからだよ」
「だまれ!!お前が口を開くだけで腹立つんだよ!!」
そうしてそいつは、あろう事か能力を使用しようとしていたのだ。
「おいおい、まじでいってんのか?」
「あぁ、大マジだよ。お前みたいなやつ、この学園にいらねぇから。俺が消してやるよ。俺の能力は、『ナイフを作り出す能力』。お前をここで殺す。」
なんということか、僕は命を狙われていた。ナイフで刺すなんて、それこそ致命傷不可避だ。それに...ナイフで刺されたら...
数秒後、僕はナイフで腹部を刺された。そして、血が吹きでる。あぁ、これはどうしても避けたかったのに。こうなってしまったらどうしようもない。
僕は、徐々に気を失いそうになっている。それは腹部を刺されたからでは無い。まぁ、間接的には関係ある訳だが。
そうして僕は、気を失った。
俺は、目の前の状況に唖然としていた。目の前にいる男、村上陸はたった今俺がナイフで刺した。普通なら動けるはずがないのに、目の前の男は、ゆっくりと立ち上がっていた。
「お前、なんで動けるんだ!」
「なんでかって?そんなもん、俺の能力だよ」
「お前の、能力...?いや...お前は能力が使えないはずじゃ...」
「ハッハッあんな嘘信じるなんて、随分と頭が悪いようだね。」
「なんだと?お前、突然調子に乗りやがって、なんの能力なのか知らねぇけど、俺が殺してやる!」
「...はぁ、本気で言ってるのか?所詮Eランク、最底辺のお前が、俺に勝てるわけが無いだろ?」
「お前...!」
しかし俺は気づいてしまった。俺が刺したはずの腹部、確かに貫通したはずなのに、何故か何事もなかったかのように治っていた。
「...お前は、一体何者なんだ...!」
「さぁな、それより、お前みたいなやつを見てると吐き気がする。...さっさと死ねよ」
目の前にいる男はそう言うと、視認できない速度でこっちに向かってきて...俺をとんでもない威力で蹴った......
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