第3話 クラス替え
6限目の能力値テストが終わり、教室に戻る。その後の担任が戻ってくるまでの間、各々で会話をしていた。
「多分Eランクだろうな〜。試験官の目がそう言ってたもん」
「あぁ、僕もそんな感じだったよ」
「まぁ、陸くんと同じクラスになれるのなら別にいいけどね!」
「...そうか」
少し笑みがこぼれる。直球でそんなことを言われると、流石の僕でも少し照れてしまう。そういえば、紫苑と関わり始めてから、虐められることがなくなったな。誰かといるのはそんなに大事だったのか。
そんなことを考えていると、担任が帰ってきた。
「はいはいお前は席に着け〜。今日は連絡事項も無いし、みんなテストで疲れてるだろうから、もう解散します。あと、テストの結果は月曜発表されるから、自分が受けた時の番号忘れないように、それじゃ。」
それだけ言うと担任は教室を出ていった。みんな帰る支度をしている。僕も支度をし、家に帰った。
「ただいま」
「ん、おかえり。今日は能力値テストだったんだろ?」
「あぁ、まぁ確実にEランクだろう。だけど、僕の本気だとランクは何になるんだろうな」
「それを考えるのは自由だが、実行には移すなよ」
「僕がそれを本当にするわけない。そんくらいわかっているだろう?」
「まぁそうだな。」
僕が今喋っているのは、実の兄、村上海だ。現在は僕と兄さんの2人で暮らしている。
兄さんは、僕とは違ってとても強い。それこそ、学生時代はSランクだったらしい。そんな兄さんによると、Sランクの教室はとても危険なんだそうだ。なんでも、Sランク同士での喧嘩があったらしいが、教室が簡単になくなってしまったのだそうだ。
そんなことを聞くと、自分がEランクで良かったと思ってしまう。
今日は月曜日。学校に来ると、生徒たちが校庭に集まっている。そうだった、今日は能力値テストの結果が貼られるんだった。間違いなく僕はEランクだろうけど、一応見ておくか。
当然の如く僕のランクはEだった。そうして、Eランクの教室に入るのだが、メンバーは殆ど変化していなかった。それもそうか、と思っていると、あることに気がついた。
「紫苑がいない...」
もしかしたら、昇格したのかもしれない。それは大変おめでたい事なのだが、少しだけ心細くなってしまうな、と僕は考えるのだった。
少し経った後、担任が入ってきた。前の担任と変わっていなかった。個人的にそれは少し嬉しかったりする。
「なんだお前ら〜前と殆ど変わってないじゃないか〜。まぁ、次のテストは来年だから、それまでに実力つけるんだぞ〜?」
この担任は、割と人気だったりもするので、みんなさっきまでより顔が明るくなっていた。
そうして放課後になり、家に帰ろうとする。しかし、誰かが僕に近づいてきた。
「おい、村上。ちょっと俺に着いてこい。」
あぁ、来たか。紫苑と仲良くしてからは1度もなかったけど、きっと僕をボコボコにするんだろう。すぐに気が済んでくれるといいが。
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