第6話 わんこ君、反省する
「
「いいんです。……気持ちよかったし」
柘植野と離れていた間のムラムラを、柴田は全力で柘植野にぶつけた。あれから何回戦したか覚えていない。
動けなくなった柘植野は、柴田に身体を拭かれている。
柘植野は
「なんか、おれの好きな人をおれで染め上げたいー! うぉー!ってなっちゃったんです」
「……嬉しいです」
柘植野は頬を染めた。
それって、自分が
ペアリングの相談をしてみても、いいんだろうか……。
でも、さりげなく将来を誓わせるみたいで、卑怯な気もする……。
「そうだ! 染め上げるといえば、お土産があります!」
柴田はキャリーケースを開け、虹色のタイダイのTシャツを取り出した。
「おお……。鮮やかですね……」
「おれは、いろんな色が混ざってる服はお得だと思うんです! 一気にいろんな色を楽しめるから!」
「なるほど……。斬新な考え方で、素晴らしい」
柴田のカラフルな服好きは、そういう理屈だったのかと、柘植野は無理やり納得した。
「これペアルックですよ柘植野さん! ペアルック……したくないですか?」
柴田は途中から自信を失い、しょげた犬のように上目
「いや! もちろんしたいですよ! とっても嬉しいなー! 着てみていいですか?」
柘植野は、本当はもう少し地味な服でペアルックをしたかったが、仕方ない。
お揃いにしたいという柴田の気持ちは、とても嬉しかった。
2人とも全裸なので、そのままTシャツを着た。柴田がLサイズで、柘植野がSサイズだそうだ。
「……あれ? 柘植野さんのイケメンがどっか行っちゃいましたか……?」
「僕は顔が繊細なタイプだから、濃い服に印象全部持ってかれるんですよね」
「そんな……!! おれのセンスが間違ってました……」
「いやいや。ナンパされにくくていいですよ。これで一緒に出かけましょう」
「はい! おでかけしましょうね!」
柴田は目を輝かせて柘植野を見た。
「柘植野さん、また
また脚をすくわれて、お姫様抱っこで姿見の前に連れて行かれる。
柘植野は柴田のたくましさにキュンとした。
姿見には、下半身裸で、上にはド派手なTシャツを着た2人組が映っている。
柘植野も柴田も可笑しくなって、ケラケラ笑った。
優さんと一緒にいると、こんなに幸福だ。
激しく求められても、絶対に痛いことはしない優しさを信頼していられる。
たくましい腕に抱えられて、安心して笑っていられる。
お互いに出来心でウソをつくことがあるかもしれないけど、優さんのまっすぐな心が、全部元通りに正してくれる。
この人と、人生を共にしたいと思った。
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