第9話 誘拐
日課であるランニングを終えて部屋に帰ってきたときには外はもう暗くなっていた。
ガチャリと浴室の扉が開いてバスタオルを体に巻き付けただけの
「あの男、なんていったっけ。……
普通ならロイス(
――え?神無ちゃんそんなのが好きなの?変わってるね。
――なんでそんな気持ち悪いのを集めてるの?
「……」
その表情が一変する。
『こんばんは、
スマホから聞こえてきたのは同じクラスの男子生徒、
「……なんで私のアカウント知ってるの?」
『それは秘密だ。それよりメッセージ見てくれたから連絡してきたってことでOK?』
電話の向こうの相手はやけに強気である。まるで、
「その話が本当だという証拠は?」
『おいおい、クラスメイトを疑うのか?悲しいねえ』
「本当だというならこの電話で教えなさい」
『いやいや、それは虫が良すぎるでしょ。せっかく情報を教えてあげようってのにさ』
どうやら、
『いいから、今から竹豊橋近くのファミレスまで来なよ。そしたら間違いなく教えてやるからよ』
「……」
明らかに何か嫌な気配を
『ま、俺はどっちでもいいけどさ。でも、早くしないと先輩たち帰っちゃうかもよ?』
「……分かったわ、今から行く」
『そうこなくっちゃな。じゃ、またあとで』
その言葉を最後に通話は切れた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
クラブサリモス、その奥のVIPルーム。
そこは
「カハハ、まんまと獲物が罠にかかったぜ」
「しかし、あの
「ああ、それはな……」
「え?まじ?そんなことで釣れちゃったの?」
その答えを聞いたギャルは驚きの声を上げた。
「そんなことでも、本人にとっては重要なことってのはよくあるもんだ。誰にだって大事なものはあるだろ?」
その時ガラステーブルの上の
『ケンヤ、例の女やったぞ。確認してくれ』
「お、早速か。りょ~か~い」
すると、そこには車内で猿ぐつわをハメられて必死に抵抗する
「うわ、本当にあの天宮じゃん。うける~」
「やっべ、俺興奮してきたわ」
口々に笑い飛ばす
「そいつで間違いない。あとは手はず通りにやってくれ」
『オッケー、お前が言った通りかなりの上玉だな。こっちも楽しませてもらうぜ』
その会話を最後にスマホの通話は終了した。テレビ画面には相変わらず、必死に抵抗しようともがく
「……さて、これから世にも珍しい同級生のレイプ動画生中継だ。最高のショーになるぜこれは」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「……?こんな時間にどこに行くんだ?」
ロイス(
「うん、イレギュラーだな。……追うか」
ロイスは即決で判断したもののふと、あることが思い当たった。それは
「まいったな、何か顔でも隠せるものがあればいいんだが……」
ロイス(
「……お、あれは?」
その時、ロイス(
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます