第4話 新生活といじめ
朝7時50分通学路。
ロイスは学生服を着用し、
(いいか?お前にはこれから
昨夜、敵勢力からの襲来を蹴散らした後、
「
どうも昨日の千冬の説明ではこのロイスの体はその
(……それは教えられない。お前には知る権利がない)
と
(分かっていると思うけどな、お前の正体を他の奴に知られることはご法度だぞ。お前はあくまで
そして、とにかく異世界人であることを誰にも知られるなと強く念を押されたロイス。ロイスも言いたいことがないわけではなかったが、見ず知らずの異世界で協力者の機嫌を害す方が損だと思い素直に従うことにした。
「しかし、便利なものだな。この『すまほ』というものは」
ロイス(綾人)は手元にある画面を見る。そこには目的地である開堂高校までの地図が表示されていた。これも千冬から渡されたものである。
(えっちなサイトとか見ちゃだめだぞ☆)
と千冬が言っていたがもちろんロイス(
スマホのナビに従って進んでいくと段々ロイス(
「ここか」
2年A組と書かれたプレートを見上げてロイス(
「……ちょっと邪魔なんだけど」
ロイス(
「……あんた……」
その鋭い視線がロイス(
「な、なに?」
「……いや、なんでも。それより邪魔。教室入れないでしょ」
「あ、ああ、すまない」
ロイス(
ざわっ!
和やかな教室の空気がロイス(
「あれー、もれと君だ。久しぶりじゃん」
そのうち一人がニヤニヤとした顔で話しかけてきた。背が高くいかにもクラスの中心みたいオーラがある。後ろに取り巻きのような男と女がいた。
「いやー、良かったよ。あんなことがあったからもう学校来ないかと思ってさ」
あんなこと、についてロイス(綾人)は全く心当たりがない。当然である。しかし、正体を知られるわけにはいかないので適当に話を合わせるしかない。
「心配してくれてありがとう」
「そうそう、心配したんだぜ。それで親切な俺はもれと君にプレゼントをあげようと思ってさ」
そう言うとその男子高生はロイス(
「ほら、おむつ。これでまた漏らしても大丈夫だろ?」
そこにあったのはロイス(綾人)の椅子に取り付けられた紙おむつだった。
「ぶはっ!
「そうなんだ。ありがとう。……うん、座り心地もいいね。やわらかいし」
しかし、ロイス(
「……は?なにもれと君。なめてんの?」
「おーい、席につけ。ホームルームはじめるぞー!」
その時、若い男性の教員がクラスに入ってきて緊張感漂う場の雰囲気は一掃された。健也と呼ばれた男子生徒はロイス(
「……」
ロイスは自分が何かまずいことをしてしまったのでないかということを直感で感じたがどうしていいか分からずきょろきょろと辺りを見渡すが誰とも目が合わない。ただ唯一先ほど教室に入る前に会話した美人な女生徒だけが冷ややかな視線をロイス(
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