私の実家 3
私の実家の鏡。
いつもみている洗面所の鏡…
私は、理由もなく怖くて仕方なかった。
あの日までは。
その日、私はいつも通り歯を磨いていた。
でも、じっと鏡を見ていたくなくてすぐにうがいをして洗面所から出ようとした。
一瞬だけ視線を鏡へ向けた。
「誰?!」
鏡に写っていたのはおかっぱ頭の色白の女の子。
口元ににたりと笑みを浮かべているが目は前髪で隠れて見えない。
でもこちらを見ていることはわかった…
心臓がバクバクッと早まる。
私は瞬時に反応してはいけないものだ…
と考え、そのまま洗面所をでた。
それから洗面所におかっぱ頭の子はでなかった。
ある日、父が興奮混じりに母へ語っているのを聞いた。
「いやー!びっくりした!鏡におかっぱの子がいた!俺はおかっぱじゃないからそうだ!」
いつもは物静かな父が嬉々として話をしている。
その後、母から
「父は見えるっぽい」
という事と
「いろいろあったけど見えたほうがおもろい」
と考えている人だったという事を聞いた。
あれ以来、鏡のおかっぱの子は出ていない。
心霊番組や現象を見て
「あっ!いた!ここだ!これ!」
と嬉しそうに目と耳を塞いでいる私達に語る父。
幽霊的にも反応に不満があったようだ…
その後。
父に不可思議な事は起こらなかったようだ。
終わり。
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