最終話:だから永遠に大丈夫!!。

「アンブレラ、よかったの?向こうに帰れるチャンスだったんだよ」

「君がもし帰るって言ったら僕に止める権利ないからね」


「あるよ止める権利、あるよ」

「だって天気君は私の大切な人、世界で一番大切な人だもん」

「私の恋人だもん・・・止める権利あるよ」


「そうか・・・でも止める権利なくても止めるけどね、あはは」

「あのさ、さっきのレインストームってイケメンの魔法使いってほんとは

アンブレラの彼氏じゃなかったの?」


「え?・・・彼氏?・・・あはは」

「あはは、そんな訳ないでしょ・・・レインストームは私のイトコだよ」


「え?イトコ?・・・まじで?」


「そうイ・ト・コ」


「なんだ、そうなんだ・・・僕、バカだ・・・まだ気にしてた」


「彼氏なんかいないって言ったでしょ、私の彼氏は天気君だけだよ」


「そうだね・・・アンブレラ・・・僕の彼女はエルフなんだね、しかも

こんなに可愛いさ・・・」

「アンブレラ、君はここにいる以上僕はずっと君を大切にするよ」

「帰られちゃったら、大切にできないからね・・・」


「嬉しい・・・」


そう言ってアンブレラは天気君をハグした。

もうハグしてばっかだ。

天気君もアンブレラをしっかり受け止めた。


「離さないからね、アンブレラ」


そう言うわけで、次の日の朝、天気君はアンブレラのキスで目覚めた。

こんな暖かで爽やかな目覚め、天気君は経験したことなかった。

たぶんこの時間がもっとも素敵な時間だと思った。


アンブレラの作った朝食を食べて、平日はアンブレラにいってらっしゃいの

チューをもらってウハウハで大学に行った。


結局アンブレラはここで天気君と一緒に暮らすことを選んだ。

レインストームによってアルモースに帰れる方法が見つかったけどもう故郷に

帰るつもりはなかった。


その後アンブレラは魔法の薬で天気君の命を救っている。

心臓の状態が悪くなっていつ調子が悪くなるか不安を抱えていた天気君の病気。


レインストームが帰る時、彼に頼んだ薬草アバナキバナ使って魔法薬を調合して

天気君の持病の心臓弁膜症を見事に治した。


病院の診断の結果、弁も正常に機能しているし不整脈もない心臓の肥大も

見られない。

心臓弁膜症は完全に治っていた。


そのことによって本当ならアンブレラは一級魔法師の資格を得たはずだったが

それはエルフの国、魔法学校に居てのこと・・・。

人間の世界に居てはその功績も評価されることはなかった。

でもアンブレラはそんなことはどうでもよかった。

自分の手で魔法で、愛しい人の命が救えたことがなにより嬉しかった。


コスプレイベントで知り合ったエルフコスの女の子。

その子はなんと本物のエルフだった。

エルフが恋人なんて世界中探したっていないだろう・・・いるかもしれないけど、

絶対ないとはいえないけど・・・。

少なくとも人間界にいて人間が恋人なんてエルフはアンブレラだけだろう。


「ねえ、天気君これから、お買い物に行くんだけど、天気君も一緒に行く?」

「ふたりで夕食の買い出しに行こうよ?ラブラブで」


「いいね・・・これからだって今まで通りなにをするのも、ふたり一緒だよ」


「うん、行きましょ・・・」


アンブレラは天使くんの左腕にしがみついた。


「私、幸せ」


「もっともっと幸せにするから・・・もう嫌って言うくらい」


アンブレラは満面の笑顔で天気くんに微笑み返した。

その笑顔は、最初にコスプレイベントで見たときの笑顔と同じで、おしっこ

チビリそうなくらい、めちゃ可愛いかった。

超絶、悶絶、史上最高最強に可愛かった。


ふたりは、お手々つないでルンルンラブラブで買い物に出かけて行った。


これからもふたりの愛の生活は続いていく。

その後、天気君はアンブレラの調合した長生きの薬を飲んで長寿なアンブレラと

同じ長い寿命を共に生きたってことらしい。


「だから永遠に大丈夫!!」


おっしまい。


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いつだって大丈夫 ! ! 。〜迷いのエルフちゃん〜 猫野 尻尾 @amanotenshi

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