【SFC他】ドラゴンクエスト3 職業と転職の考察

【転職の基本】


 「転職を繰り返しても強くならない」とは聞いたことがないだろうか。これは、職業・レベルごとにそれぞれのパラメータの「上限値」が設定され、能力がそれ以上である場合は成長が妨げられるというシステムがあるからである。転職直後に一気にレベルが上がっても、能力がほとんど伸びないのはそれが理由である。


 一方、SFC版をはじめとするリメイク版では、この上限値が全体的に大幅に引き上げられている。おそらく設計者の主な意図としては、性格システムのプラス補正による「伸びしろ」を確保するためなのだと思われるが、結果として転職によって前職から引き継いだ能力値が無駄になりにくくなっている。


 極論を言えば、ダーマの神殿に到着してレベル20になった時点で即転職したほうが、(総獲得経験値で比べた場合の)総合的な能力は高くなる上に、できることが増えて単純に強くなる。呪文を覚えるのが遅れるというデメリットはあるが、それによって困る(呪文を優先したほうがよい)のは魔法使いくらいである。


 ここでは、職業別の転職パターンについて解説する。


【戦士からの転職】


 戦士に限らず物理職というのはそのまま最後まで使いがちである。確かにゾーマくらいなら純戦士でもなんとかなるが、最終目標である「神竜15ターン」を視野にいれると、打撃しかやることのない純戦士では足手まといになってしまう。ターン数を気にしないのであれば雷神の剣でも振らせておけば有効なダメージ源になるのだが、本気で倒すならメラゾーマが欲しい。


 おすすめのパターンはレベル20で賢者にすることである。力と体力を受け継いだ屈強な賢者となり、転職後の乏しい呪文能力を補ってくれる。タフガイなどで作っていた場合、転職直後はセクシーギャル(ガーターベルト)やお調子者(モヒカンの毛)にして素早さや賢さを伸ばしておくと、上限値オーバーの無駄を軽減できる。


【武闘家からの転職】


 基本的には戦士と同様、純武闘家はつぶしが利かないので早々に転職させたい。候補としてはやはり賢者がベストで、戦士と比べると素早さも含めてまんべんなく強い賢者になる。


 ただし転職ありきで武闘家を加えるくらいならば、盗賊のほうが遥かにマシである。レベルアップも早いし、便利な呪文も覚えられる。会心能力はないが、かわりに毒針を装備できるのでメタル狩りなら支障はない。やはり最初から連れ歩くというよりは転職で作るべきキャラである。


【商人からの転職】


 戦士と武闘家でも述べたように、基本的に非魔法職からの転職は賢者が最もおすすめできる。商人の場合はレベル20までの経験値が最も少なくて済むという長所があり、最速で賢者にするという目的で連れ歩くというのも十分に現実的と言える。


 バークの商人を引き取った場合、たとえば「遊び人→賢者→盗賊」とすれば全呪文を覚えたキャラになる。クリア後などで余裕が出てきたときは育ててみるのもよい。アイテム収集のための盗賊軍団というのはいずれ必要になるのだから。


【盗賊からの転職】


 やはり賢者がベスト。商人に次ぐ成長の早さで、こちらは高い素早さを引き継ぐことができる。定番のタフガイもよいのだが、いっそ電光石火にして徹底的に素早さを伸ばしておくというのも一つの手である。


 賢者で必要な呪文を覚えたら、また盗賊に戻ってくるのも有効(最終的に盗賊になるべきというのは、他の職業から賢者になる場合でも同じなのだが)。レベルは1になるので一見すると無駄なようだが、最初の転職でしっかり能力を引き継いでいるので無駄ではない。


【遊び人からの転職】


 ご存知のように、悟りの書なしでも賢者になれるのが最大の強みなのだが、唯一の選択肢とするのは考えものである。呪文(特技)の「口笛」が非常に重要で、敢えて賢者ではなくより成長の早い僧侶や魔法使いにする手もある。たとえば口笛でメタル狩りをするなら毒針を装備できる魔法使いのほうが有利である。


 また今まで賢者への転職を推奨してきた物理職についても同様であり、賢者ではなく僧侶や魔法使いにする選択肢はもちろんある。要は最終的に思い描くパーティ構想次第ということになる。


 また、コマンド記憶が弱いバージョンにおいては、口笛を連発しやすくするために「口笛のみを覚えたキャラ」を先頭に置くことが重要な場合がある。この場合、遊び人から戦士か武闘家になるという選択肢も頭に入れておこう。


【僧侶からの転職】


 僧侶において重要な呪文は実は低レベル帯に多く、ニフラム・ピオリム・ルカニ・バシルーラあたりはアイテムでの代替も不可能。レベル20で即転職となると回復はベホイミ止まりになるのだが、上の世界ならこれだけでも十分だし、下の世界でも勇者のベホマで事足りる場合が多い。なおレベル20から覚えられるバシルーラは習得がランダムだが、終盤で役に立つので必ず覚えておきたい。賢者が上位互換となるので、他に要員がいなければ賢者にしてもよい。


 手っ取り早く強くなるなら盗賊、最終的な戦力を意識するなら魔法使いへの転職がよい。正義のそろばんを活用するなら商人への転職すらも候補に入る。盗賊や商人になるのは、あくまで上の世界でのボス戦を意識した足がかりなので、終盤は魔法使いなどへの再転職を勧める。


【魔法使いからの転職】


 レベル20での即転職が推奨されない唯一の職業。ファミコン版ではレベル21でバイキルトを覚えた後に転職させるパターンがよく用いられるが、性格システムによって(具体的にはスタミナの種全振りによるタフガイで)体力の低さをカバーできるリメイク版ではそのまま魔法使いでいたほうがよい。最低でもレベル36でメラゾーマ(対神竜における主砲)、できればレベル38でイオナズンを覚えるまでは転職は非推奨である。


 転職先は盗賊がベスト。最低限のコストで神竜と戦えるキャラができる。僧侶呪文は使えないが、世界樹の葉を盗んで集めればザオリクと同じことができる(ゾーマ城の南で、スタミナの種の副産物としてざくざく拾える)。対神竜戦で使えなくて困るのはザメハくらいであり、最後尾の一人が使えれば大抵は事足りる。


【賢者からの転職】


 全ての呪文を覚えたキャラを作るのならば、基本的に賢者からの転職がベストである。実際のところはレベル41で覚えるメガンテはスルーしたほうが無難かも知れないが。レベル40のパルプンテも微妙で、単騎レベリング(ルビスの塔に出てくるはぐれメタルの群れをパルプンテで狩る)の必要がある武闘家以外はレベル38(イオナズン・ザオリク)で十分だと思われる。


 なおMPの増えない戦士や武闘家になる場合、最低でも賢さを255まで上げてからレベルアップしておこう。最低でもMPが510、転職で半減しても255になる。


【おすすめ転職ルート】


・魔法使いLv38(イオナズン)→盗賊


 ゲーム開始時から連れ回した魔法使いを神竜戦まで連れて行くならこれがベスト。能力の不足分は種を盗んで補う。


・僧侶Lv20(バシルーラ)→魔法使いLv38(イオナズン)→盗賊


 魔法使い→盗賊のアレンジで、こちらは初期から連れ回した僧侶向けのプラン。最低限の呪文をつまみ食いしていく。


・僧侶Lv20(バシルーラ)→商人Lv20→魔法使いLv38(イオナズン)→盗賊


 上の変形。僧侶と魔法使いばかりのパーティだとバラモス戦で苦戦するので、一時的に商人を噛ませるパターン。正義のそろばんで暴れてもらう。


・戦士(武闘家・商人・遊び人)Lv20→賢者


 物理オンリーの職業は早い段階で賢者にしておかないと、最終的につぶしが利かなくなりがち。逆に言えば、悟りの書を消費したくない場合は最初のメンバー選びから慎重になる必要がある。


・商人Lv20→遊び人Lv20→賢者Lv40→盗賊


 全呪文マスターのルート。メガンテを覚えるかどうかはお好みで。光のドレスが量産できないスマホ版などでは賢者(同等の耐性を持つ「水の羽衣」を装備可能)を最終職にする手もある。


・商人Lv20→盗賊Lv20→遊び人Lv20→賢者Lv40→戦士・武闘家


 最終的に戦士や武闘家になるなら、前職を賢者にして賢さ255(MP510~)にしてから転職したい。

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