【FC他】ファイナルファンタジー2 素手考察
FF2では武器ごとに熟練度が成長するが、武器を持たない状態の「素手」もまた、一種の武器として扱われる。かなり特殊な性質を持つため、最初から素手であるヨーゼフ以外では使ったことがないという方も少なくないのではないだろうか。ここでは、バージョン別の仕様の違いと、使いどころについて解説する。
【共通】
基本命中率はレベルに関係なく80%。これに「力」の値を加算したものが実際の命中率になる。たとえば力が10であれば命中率は90%になる(力が命中率に加算されるのは全ての武器種で共通)。
基本命中率80%というのは非常に高い数値で、武器全体で見てもこれを上回るのは(リメイク版で追加されたキャラ専用装備を除けば)
反面、回避確率が0%しかなく、バージョンによっては盾との併用もできない。序盤から威力を発揮する一方、序盤から使い続けると回避率が抑えられるので素早さが上がりにくくなるというジレンマを抱えている。よって、常に素手というのはあまり推奨できず、必要に応じて武器(+盾)と使い分けていくことが必要となる。
素手はバーサクの影響を受けない(攻撃力が上がらない)らしいが、バージョン別の差異も含めて未確認情報である。
【ファミコン版】
「(熟練度-1)×8」が基本攻撃力となる(これに、力の値の半分が加算される)。つまり最初は0で、レベルが上がるごとに8→16→24→…と上がっていく。
たとえばヨーゼフの初期ステータスでは素手レベル2・力24なので、攻撃力は8+12=20となっている。
ファミコン版のみの注意点として、「素手+盾」にした場合、それは素手ではなく「1枚の盾を武器として両手で装備している」という状態になる(ただし攻撃エフェクトは素手と同一なので紛らわしい)。つまりこの場合、素手の熟練度に関係なく盾の攻撃性能がベースになる。盾の攻撃力は種類によって異なるが1桁、命中率は全て0%なので、この状態では非常に弱くなる。ヨーゼフの左手に盾を装備させると途端に弱体化する理由である。
(ちなみに盾に限らず「素手+武器」だと、利き手に関わらず「1本の武器を両手で握る」となり、力による補正値が倍増して攻撃力が増える。後のシリーズにおける「両手持ち」アビリティのようなものである。これは以降のバージョンでも同様)
素手を適切に使用した場合、レベル3でミスリル武器と並ぶ。普通に進めていればレベル4~6あたりが、相対的に最も素手の強さを実感できる時期だと思う。最終的には全ての武器と比べても正宗に次ぐ威力となり、さらに魔法干渉(魔法効果に対する知性や精神のボーナスを阻害する度合い)が0なので最強武器候補なのだが、普通にクリアするだけなら育成コストに見合う強さかはかなり微妙なところ。
ヨーゼフ以外で素手を活用できそうなキャラは、彼の次に加入するゴードンである。加入時点ではどの武器の熟練度も1なので、相対的に素手が弱くない。力の初期値が22と高く、熟練度が3まで上がればボスにも打撃が通るようになる。もっとも、慣れたプレイヤーであればキャプテンを狩りで手に入れた炎の弓を持たせるところだろうが、そこまで極端なプレイをしないのであれば有力候補となる。
【WSC・PS・GBA・PSP版】
3つの点で大幅に強化された。
・ファミコン版と比べて同熟練度での攻撃力が8増えた
・熟練度そのものが上がりやすくなった(GBA版以降ではさらに上がりやすい)
・攻撃力は半減するが盾と併用できるようになった
レベル1の時点で攻撃力8。ブロードソードよりも強いのだ。アクス(攻撃力10)には劣るが、命中率を考慮すると十分過ぎる性能と言える。
盾と併用できるのも大きい。攻撃力は半減するが回避確率は上がり、また盾の熟練度もしっかり上がっていく。「両手素手」でも「素手+盾」でも、素手の熟練度の上がり方は同じなので盾を持ったほうが成長面では単純に得である。普段は素手+盾で戦い、強敵が出たら盾を外して素手の真の力を開放するという運用が基本となる。
もっとも、ゲームが進んでくると普通に武器+盾のほうが強くなってくるし、素早さが十分に上がれば二刀流が最強になる。それでも素手を鍛えておくと中盤戦あたりでの中だるみがなくなるので、メイン武器と並行して鍛えておくのがよい。
【ピクセルリマスター版】
両手に盾を装備した状態で攻撃すると、素手で攻撃したことになる。従来における「素手+盾」と同じ扱いで、ちゃんと両方に熟練度が入る上に、回避確率や耐性については2つの盾が両方とも適用される模様。
(ちなみに従来版で2枚盾で攻撃した場合、ファミコン版は「利き手に装備した盾を武器扱いで攻撃する(非常に弱い)」となり、リメイク版では「盾を構えるだけで攻撃を行わない(攻撃行動とはみなされるので熟練度は上がる)」となる。なおリメイク版でも「武器+盾」なら盾による攻撃判定も行われるが、盾で殴るエフェクトは出ないのでわかりにくい)
純粋な素手と比べて攻撃力は半減するものの、回避率が大幅に高くなるのは強い。従来のように回避確率が行動順に影響しなくなった(素早さに直接依存するようになったらしい)ものの、高回避率とそれなりのダメージを両立できるというのは強い。少なくとも従来の「素手+盾」の完全上位互換である。
最終的に武器のほうが強いのは従来通りだが、特に序盤では2枚盾による大幅な回避確率上昇と最低限の攻撃力を確保できるというのは大きい。盾構えによって敵にダメージを与えることなく熟練度を上げる(戦闘終了前に他の武器に持ち替えれば、そちらの熟練度が上がる)という裏技が潰されたとはいえ、通常クリアレベルまで鍛えれば十分だというのならば問題はないはずである。
また、後列も物理攻撃の対象になるように変更されたので、今までのように一時加入キャラを後列に下げる旨味が薄くなった。そのため武器が不足しがちな中盤あたりで、(死なせて放置するのでも無い限り)ゴードンやレイラを素手で運用する機会が増えたと言える。
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