　どうやら、FF2について「パーティアタックでHPを上げるのはよくない」と思われている風潮があるらしい。ただ、これはどうも誤解というか、中途半端な情報を聞きかじっただけだと思えてならない。

　確かに、終盤になると割合ダメージを食らう機会が増えてくる。HPが高いほどダメージの絶対量が増えるので、そのうちに回復が追いつかなくなってしまう。だから回避するのが鉄則となるのだが、HPが高すぎるとモンスターが逃げてばかりで回避回数の熟練度が成長しなくなる。

　このような負のスパイラルに陥るほど上げてしまうのは問題だが、割合ダメージではない被弾のほうがこのゲームには遥かに多い。よほど過剰に上げるのは良くないとしても、基本的にHPは高いほうがいいに決まっている。そして、安全かつ手っ取り早く上げるならパーティアタックが一番である。

　ちなみに、パーティアタックというと「殴り合う」というイメージが強いようだが、物理攻撃はダメージの振れ幅が大きいのであまり向いていない。使うなら攻撃魔法である。戦闘開始時と終了時を比べて、最大値の1/8以上減っていれば良い（減少量が多くても増加量は同じで、確率も変わらない模様）ので、ダメージ自体は少量でも構わないのだ。

　なお「実際の減少量」ではなく「戦闘開始前後の差分」で判定されるので、受けたダメージを戦闘中に全て回復するとダメージを受けていないのと同じことになる。ピンチからのリカバリーを最優先すべきとはいえ、回復のタイミングには気を使いたいものである。

　では具体的にどこまで上げるべきか。一つの目安としては4人目のキャラの能力である。最初に仲間になるミンウの最大HPは175なので、ミンウが仲間にいるうちに、他の3人のHPをこの程度までは引き上げておきたいところだ。実際の攻略を踏まえると、最初の本格的ダンジョンであるセミテの滝に突入するまでには上げておきたい。

　ちなみに、GBA版などの移植版では、一定回数の戦闘ごとにHPが自動的に上昇していく仕様となっている。これらのバージョンではHP不足に陥ることはめったにないが、それでも序盤のうちは多少意識して上げておくと安定するはずである。

　HPだけでなく、MPもパーティアタックで増やすのがもちろん効果的だ。ちょうどミンウが、MPに割合ダメージ（ヒットごとに半減？）を与える「アンチ」を覚えているので、これを戦闘ごとに使う。注意点として、MPの上昇条件もHPと同様に「最大値の1/8以上を消費」なので、最初のうちはアンチを受けるよりも自分で適当な魔法を使ったほうが手っ取り早い（MP初期値は5なので、1ポイント減るだけでも上昇判定が入る）。アンチをかけるのは2回分上昇したあたりからでよいだろう（各キャラとも魔力5からスタートする。魔力はそのままMP上昇量となるので、2回の上昇で最低15ポイントまで成長する）。

　ミンウはエーテルを所持している（GBA版以降、HPが自動で上がるようになったバージョンを除く）。アイテムとして使えばMPを40ほど回復するが、売れば1250ギルになる。パーティアタックで最大値を増やしていると宿代がかさむことがネックだが、「ミンウの持っていたエーテルを売らなければ宿代を捻出できなくなった」タイミングが、序盤におけるパーティアタックによる成長をひとまず打ち切る目安ではないかと思う。