第2部 蜜月旅行は異世界で
第1話 勇者たちの旅路
俺の名前は
高校に入学して半年たった頃、突然異世界転移に巻き込まれた。
クラスまとめての異世界召喚ーークラス転移ってやつさ。
フィエンガルド帝国の召喚の間で、真っ先に行われたのは弱者の切り捨てだった。
魔力ゼロの奴は魔獣の森に放逐、クズスキルの持ち主の男は奴隷、女は娼館。
幸運なことに24人のクラス員が優秀なスキルを持っていた。残りの6人は推して知るべしだ。
最低でも4人いれば魔王は倒せるって話だから、24人ってのは大当たりもいいとこだ。
俺も親友の
クラス委員長や副委員長ら上級クラス民どもがイニシアチブを握ろうとしたが、俺たちは無視した。
異世界に来てまで、あいつらの言いなりになるなんてゴメンだ。こっちはこっちで好きにさせてもらうつもりだ。
俺と龍は、夜中にこっそり宿舎を抜けだ出して、小さな村に魔法攻撃を仕掛けてみた。村は跡形もなく消滅し、でっかいクレーターだけが残った。ゾクゾクした。狂喜が俺たちの体中を駆け抜けた。俺たちの攻撃魔法を全力で撃てば、国なんて簡単に滅んじまうんじゃねえのか。
俺たちは4人パーティーを組んで、帝国を出た。
天河
天河龍は俺の親友で最終解決魔法の使い手。核爆発を扱う禁忌の魔法使いだ。
夢野らみあはクラスのアイドル的存在だった。彼女の魔法は絶対防御。この先何度も彼女の魔法に助けられることになる。
世良未来は肉体強化と魔剣の使い手。俺たちが打ち漏らした敵を速やかに
俺たちのパーティーの実力は上級クラス民をも凌ぐと自負していた。
帝国を出たところで、暗殺者が現れた。帝国からの刺客だった。
勝手に召喚しておいて勝手に殺そうとするなんて、帝国のやつら腐ってやがるぜ。
おそらく上級クラス民どもの入れ知恵だろう。あいつらは自分たちに従わない中級クラス民や下級クラス民を絶対に許さないからな。
夢野の防御魔法は優秀で、どんな魔法攻撃も物理攻撃も通さない。だから全ての暗殺者を返り討ちにしてやった。
帝国の連中がそのつもりなら、こっちにも考えがある。
俺の最終解決魔法
笑いが止まらなかった。帝国のやつら、ざまあみろ、だ。
勇者の不興を買えば国など簡単に滅ぶ、異世界人どもも思い知ったことだろう。
その後は都市や街を見かける度に、魔法の試し打ちをした。
最終解決魔法の下では、建物も人もゴミのようだった。
魔法ってすごい、異世界って楽しいよな、そんなことを話しながら俺たちは旅を続けた。
魔王領に到着すると、上級クラス民のパーティーと鉢合わせた。クラス委員長、副委員長他、クラスのヒエラルキー上位者たちが勢ぞろいときた。
争いになりかけたが、ここは一旦魔王討伐に強力し合うことで合意した。
魔王軍のどんな魔法もどんな兵器も、俺たち勇者の敵ではなかった。
魔王城に辿り着き、玉座に腰かけた魔王が俺に言った。
「勇者・
「いいね。世界が遊び場なんてステキすぎる」
なんちゃって。
世良
命の灯を失っていく魔王に俺は言ってやった。
「世界は既に俺たちの遊び場なんだよ!」
魔王討伐後、俺たちは攻撃の刃を上級クラス民どもに向けた。
「なぜだ、
「頭ん中に花でも咲いてんのか、上級クラス民ども。俺たちの戦いはこれからだぜ」
勇者VS勇者の開幕だ。
上級クラス民どもはエルフやドワーフといった土着の種族どもを味方に付け、俺たちに戦いを挑んできた。
だが、俺たちは
エルフの里を焼き払い、ドワーフの里を瓦礫の山にした。
上級クラス民どもが一人また一人と力尽きて死んでいく様子は、最高に愉快だった。
やがて世界樹とよばれる大木のところへ辿り着いた。
世界を支えるという巨大な一本の精霊樹。
俺たちはありったけの魔法を世界樹に叩き込んだ。
世界樹は炎上し、跡形もなく散っていった。
あははははははははははは!
世界が俺たちに
チートをくれた神様サンキュー。異世界クラス転移バンザイだ!
世界樹を倒した後、俺はずっと好きだった夢野らみあに告白した。
夢野も好きだと言ってくれて俺たちは結ばれた。
勝利の余韻に浸りながら俺と夢野は愛し合った。
幾度も幾度も、時を忘れるくらいに。
それは
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます