拭くべし、拭くべし、拭くべしぃ!
丁寧に掃き掃除をする。
ホコリのひとつだって見逃さないように、掃くべし、掃くべし、掃くべし!
ふむ。よし、すみっこまで完璧! 次はテーブルとイス。拭け、拭くのだ!
拭くべし。
拭くべし。
拭くべしぃ!
「あらあら、朝から気合いが入ってるわね。ありがとねアイラ」
「え、えへへ! 私たちの『満腹亭』に感謝を籠めてるの!」
「………………ずずっ」
ニコニコのお母さんに、涙ぐんでるお父さんには言えない。言えるはずがない。私の
でも、いつもよりちょっと、ほ~んのちょっと頑張ってお手伝いしてるだけだし。そう、怪しくも問題も、なあんもない!
1日1善!
1日1ポイントぉ!
「アイラ、何が起きたのか今日の夜ちゃんと説明しなさいね?」
「ふぐっ。いいい、いってきますぅ!」
普段のお母さんの笑顔なのに、めっちゃ圧を感じる。
考える時間を!
何とかうまく説明できる時間をプリーズ!
●
ステータスやスキルのポイント加算はしばらく封印する事に決めた。絶対触らない。あんな中二事案が発生するなら怖くて使ってらんないし!
しかも誤魔化しようがなさ過ぎてお父さんとお母さんに心の準備ができないまま色々と今日の夜に説明する羽目になったじゃないか!
ノリノリでポチした私がいけないって? 馬鹿を言っちゃいけない。目の前にポチるものがあれば押さずにはいられないのがソシャゲ乙女の本能。SSRやURが出るかもしれないじゃないか! 出た事ないけどゲホゲホゴッホン。
まあ冗談はさておいて、時間をプリーズとは言ったけども……昨日あの後あまり寝れなかったからある程度はまとまっているんだよね。
そんでもって説明していい事と言えない事を切り分けておけばいいとは考えたんだけど……スキルとメニューは何とかなりそうな気がする。
スキルはこの世界にもあるし、私のメニューにある
それは、
それ以外の事はそのまんま説明しちゃダメだと思うから、ノリと勢いで行くつもり。レンジ君の説明は『目が覚めたらいろんな能力に目覚めてたの! この黒い箱は私の収納に入ってたんだよ!』でゴリ押ししたらどうだろうかと思ってる。
だってさ? 神様からの説明があれだけなんだからそんな感じで行くしかないでしょうに! とはいえ、それくらいは自分で何とかしろ的な、そんな雰囲気を感じなくもない。神様のいけずぅ。
……けれど。
転生の説明はそれじゃダメだ。
ゲームやアニメ、ラノベの世界ではありふれている設定だけれども……実際に自分がそうなってみると、納得してもらえるようにうまく説明できる自信がない。
それに……怖い。今の生活が根底から崩れてしまわないだろうか。転生がこの世界でどれだけ認知されているかにもよるけど、これに関してはまだまだ情報が足りなすぎるから様子を見たい。
一番の理由は、ダスティとエミルの家族として生きていけなくなるのが怖いんだ。だからここは慎重にいかないと。二人には聞けないから今度ギルドマスターやフレイクさんに転生のこと聞いてみよっかな。あ、でも……フレイクさん達は依頼で遠征してるんじゃなかったっけ。くうぅ。
ともかく。
夜までに頑張って、もっといろいろと詰めていこう。もちろん悩み過ぎは堂々巡りになるだけだし、ネガティブ思考は私には似合わない。目線は下ではなく、前か上だ。苦しくっても深々と呼吸をして、いつでも全力を出せるように準備をしておく。それが私の真骨頂なんだから。
そう、どんなに苦しくってもピンチでも、自分の背中をゴリゴリと押して生きてきた私だ。七転び倍起きの私を舐めて貰っちゃ困るのだ!
最初から転ぶな? はい、ごもっともです。テヘペロ☆
だからポイントポチたま三毛事案に関しても朝から気合いを入れて頑張っている。あれは失敗じゃなくって教訓。それにどうしたら私が使えるポイントを手に入れられるのか知っておかなきゃ。
不思議なことにポイントは10のまま残ってる。中二発動のカオスの中でマイナスを無意識にタップしたのか何なのかはわからないけど、これはこれで何かの時に使えばいい。大事なのは神様のくれたチャンス、ポイントシステムを理解して使いこなす為に自分ができる事を考えるのがマストだろう。
そんな訳で今日は朝からポイントゲットの為に早起きしてお店を手伝ったり、誰かのお悩み相談に乗ったりと、良さげな事をたくさんしてみようと思う。神様が考えたシステムならありそうな流れだしね。
●
む? 前方に見えるは……トーマともふもふわんにゃんコンビ、ラルフとリルじゃないですか!
さあ、我が親友達よ!
遠慮なく、お悩みプリーズ!
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