第9話 入院2日目(手術のあと)

 2024.7.19(金)

 術後には麻酔が覚めたか確認で、「目を開けて」「手を握ってください」とか「深呼吸して」などの指示があってから、気管チューブの抜管があったはずですが、全く覚えておりません。


 13時(後で、ナースから聞いた時間です)

 意識が戻って気がついたのは、回復室(個室)のベッドに移動したときです。

 周りにたくさん人のいる気配がして、フワッと身体が持ち上がり、ベッドに移されました。

 ここから、記憶があります。


 ワラワラと何人ものスタッフが一斉に、右腕に血圧計を巻き、酸素吸入のマスクをつけ、指先にオキシメーターを付けます。

 右手にナースコールのボタンを握らせてくれました。

「足首を動かしてみてくださーい」と動きの確認。


 左手に点滴。身体の右側からオシッコを出す管が出ていて、尿バッグに繋がっています。左側には、手術の傷口からドレーンが出ています。

 両脚は静脈血栓予防のために、白い弾性ストッキングを履いていて、さらにその上、ふくらはぎの部分はフットポンプ(空気で圧迫するマッサージ機のような器械)で覆われています。


 仰向けの状態で、全く身動きがとれません。

 そして、腰が痛い!!

 まるで、ワニかサメのアゴに挟まれているみたいでした。

(挟まれたことはないケド。そういうイメージで。苦笑)

 

 気管チューブを入れていた影響で、少し声がかすれて出しにくかったですが、これは比較的すぐ治りました。


 16時半頃

 痛み止めの点滴(眠くなる作用がある)で、少し眠って、気がついたら右向きに寝ていて、ベッドの外、頭の横にモニターがありました。

(画面が見られなかったのが残念! 何が表示されているのか、自分の心電図の波形とか、見たかった)


 このまま、ひと晩を回復室で過ごします。

 脚のフットポンプが作動して、時々、片脚づつふくらはぎのマッサージをしています。血圧計も定期的に締まって、自動測定をします。

 仰向けに寝ていると、足元の壁に大きな掛け時計があり、時間がわかりました。


 うつらうつらしては数時間ごとに目が覚めて、とにかくどの姿勢でも腰が痛くて、自由に動けないのが辛い。

 人は、ずっと同じ姿勢では、寝ていられません。

 ナースコールして、身体の向きを左に変えてもらいましたが、ナースふたりで動かしてもらうとき、思わず「痛い、痛い」と声が出てしまいました。


 「自分でゴロゴロ動いて、向きを変えていいんですよ〜」と言われる。

(なーんだ、自分で寝返りして良いのか〜)

 しかし! 仰向け、右向き、左向き、どの体勢でも痛いです。

 そして、動くときがとても痛い!


 よし、向きを変えるぞ。

 ゴ(イデデデデ……)

 ロ(ゔゔゔ…… )

 ン(ふぅ……)という感じですね。


 寝返りをする側にスペースを作ろうとしても、腰を浮かせて身体をずらすということが、なかなかできません。


 さて、このあとの出来事について、順番はあやふやですが、書いてみます。

 

 ・酸素マスクを外してもらえました。


 ・暑くて汗ばんでいたら、ナースがすぐ気がついて、上掛けをタオルケットに変えてくれました。


 ・吐き気で気持ち悪く、ナースコール。痛み止めの点滴で、人によって吐き気がすることがあり、吐き気の少ない薬に変更。

 実際に吐くことはなかったですが、痛みの他、この吐き気が辛かったです。枕元に吐いてもいいように容器を用意してくれました。


 ・吐き気がするので、ベッドの頭の方を少し上げてもらう。これはだいぶ楽になります。

 何度もナースが様子を見に来てくれました。「もう吐き気のする薬は入ってないので、大丈夫ですよ」と声かけ。


 ・水を飲む許可が出て、ペットボトルにストロー付きキャップを付けたものを置いてくれました。

 吐き気がするときは、ゴクゴク飲まずに、少しずつ口を湿らせる程度に飲んで下さいとのこと。でも、あまり喉の渇きは感じなかった。


 ・ずっとナースコールのボタンを握っているのは疲れるでしょうと、ベッドの柵に結んでくれました。


 ・ナースが窓のロールカーテンを下ろしたので、日が暮れたとわかりました。



 19時過ぎ

 痛み止めが効いたのか、グッと深く眠って、目が覚める。

 痛みに耐えながら、ときおりゴロゴロ寝返りをして、向きを変えながら過ごす。


 20時15分

 また痛みが強くなってきて、ナースコール。あと1時間くらいは、次の痛み止めが使えないとのこと(泣)。これは最大量、使っているとのお話。


 21時 消灯


 21時半

 ナースが来て、痛み止めの点滴を追加する。


 

「術後、ひと晩は辛いと思います。強い痛み止めで眠くなるから、少しウトウトできるかな。でも、そこを乗り越えればあとは楽になりますよ」

 事前に聞いた麻酔の先生の説明通りでした。


 眠っている、または痛みと吐き気に闘っている、という状態だったこの時には、家族がいても話が出来るものではなく、面会NGで本当に良かったです。


 長い夜でした……。



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