第5話:2つ目の力と3通り目の選択肢
なぜだ?
なぜあんな初心者に俺の攻撃が当たっていない?
それにいつルマリアを。
フィクションとちがって水の能力の持ち主は雷の能力者相手に有利にはならないものの
いままでのやつらと何がちがうのだ?
なぜ俺のそばまで近づいて
今も
良く言えば男らしい。
悪く言えばむさい。
歳は戸塚の3つ上。
たまにチェックしていた時ではそこまで強さを感じる人間ではなかった。
若いわりに古い考えのよくいるタイプだと油断していたとは。
ルマリアに次元ホールの
見ている
「少しだけ異世界にふれて楽しんでいただけのあんたがなぜ俺の雷を受けて平気でいられる?」
最初は
水の能力者は水をあやつれるようになると自分自身は水をまとっているだけということに気がついていない。
水は電気を通す。
しかし人間は
しかも
「最初に電撃攻撃を食らって使い魔だとお前が言った何かに気がついた時にひらめいたのさ。一度自分の身体を
フィクションではよくある能力だがさっきもいったように現実では水をまとうかはなつかぐらいが関の山。
「そんなことできるわけがない!異世界だからって夢見てんじゃねえ! 」
とらわれているルマリアはしきりに首をふってこちらに合図を送っていた。
そうか。あの人間の能力は今までのやつらとはちがうということか。
「これも現実だ。あと最後まで聞け。」
ルマリアへの
「電撃を食らってすぐにもう一人の自分を水で作ったあと、俺はこの次元ホールにある周りの水分とおそらく大地にあたるこの場の陸にある水分へ
それが成功しただと?
「その場の水で作った程度の人形ごときでふせげるわけがない!このホールでそんなことができるわけがない! 」
「だからお前の使い魔のホールまで別の水分で探していたのさ。ここにある全ての水分は俺の目であり身体。ホールの外まで届く可能性を
それでアドバイスが聞けなかったのか。
必要ないと調子に乗ったツケがまわった。
「雷攻撃をふせいだ理由はそれだけじゃなさそうだが……まあいい。お前の水人形には土か他の物質を埋め込んでいて本体には届かなかったから、きたえた体力と身体の強さもあって本物そっくりにあやつれたってわけか」
雷攻撃ならそれだけですむ。
しかしやつの知らない戸塚の2つ目の能力はどうやってふせいだ?
「俺のもうひとつの技はどうやってかわした?ルマリアの指にふれたぐらいで……まさか? 」
うそだろ?
次元ホールをあやつっているのが誰かは戸塚とルマリアしかしらない!
「ルマリアってやつはお前を裏切ってはいない。俺がルマリアの水分を利用してあの光の正体をたしかめた。いくらルマリアが人間じゃないとはいえパートナーなら
なら次元ホール外も
「口がかたいのはとっくに知っている!俺たちの関係を馬鹿にするな!ま、それはともかくおんたのお得意な水分は俺の光で
水の人形もあの時は消えていた。
そうなると自分をなぐった
そうなるとルマリアがなぜつかまっているのか分からない。
いや、まさか!
「ずいぶんと水の使いこなしているみたいだなあんた。おどろいたよ。
「卑怯か……」
まだ何かあるのか?
うかつにルマリアに攻撃はさせられない。
いま光をつかってもいいがルマリアが首をふったということはもう少し
そうして考えているうちに
「こっちは初心者で上級者相手に堂々と昔のフィクションみたいに戦ったら確実に蒸発する。恵まれた人間に勝つにはそれ以上の汚い手も使うしかない。それだけお前は強いんだよ」
おほめにさずかり
一度も反則も
「この光の弱点を見抜いたところで雷への
次の光を
これ以上戦いが
戸塚はルマリアを逃がすためにピンポイントの光を飛ばした。
すると戸塚の服がやぶれ、身体も傷がついた。
小さな
この光の弱点をつき、水分があればすぐに攻撃。
しかもルマリアを
この次元ホールごとつぶせればどれほど良かったか初めて自分の無力さを戸塚はなげいた。
それでも攻撃をやめるわけにはいかない。
ルマリアをこのホールにひきずりだしたのは
戸塚は全身を使い
「うおおおおおおおおおお! 」
ルマリアを人質にとらているからとガキでもないのに感情的になってしまった。
ルマリアの合図は他にもあった。
本物はこのホール内の水分全体と。
ルマリアをひきずりだして安心しきっていたようだ。
光の弱点をついたのはともかく雷を
これだけ素質はあってもしょせんは
かといって殴りあいも
「う……がはっ! 」
さすがに
それとも
ライバルを減らし、こちらの弱点も研究する必要ができた。
「ありがとう
ルマリアをとらえていた水人形が消えたのか彼女が戸塚を押し倒し巨大な水振動カッターからの攻撃をよけることができた。
「まったく。最後まで調子にのって」
信頼していた、と言ってほしい。
さすがにそこまで言うのはキザすぎたから照れるだけにした。
「た、助かったよルマリア。お前、体内に水分あったんだな」
「この世界では私の身体もこちらの物質におきかえられるのかもね。なんというか悔しいけど彼の賭けに私たちは負けたってこと」
どうりであまり気分のいい勝ち方じゃなかったわけか。
「光攻撃のロックは今後いざと言う時に私へあたってもいいように調整してみたら? 」
ふん。
そんな最低なことできるか。
「ルマリア。
なんにせよ
さっさとこの次元ホールからぬけよう。
まだ水を動かせる能力があると知った以上、死んだとしても
どのみちたったひとつだけの能力じゃこの先の戦いでは生きていけないのだから。
「ルマリア。今日は最高のしめにしよう」
姫を
ルマリアも彼は油断ならないと人間の空間へ戻るホールを開けて運良く去ることに成功した。
これから先で他にも強い能力者と戦うかもしれない。
それでも2人でいれば怖くない。
いつかこの好意を口にしよう。
行動だけじゃつかめないものもあるからな。
※残されたホールで
水分を大幅に減らされた次元ホール。
たおれた
別空間から開いたホールの水分とこの次元ホールにある水分がたおれた
「はぁ…はぁ…はぁ…」
いくらなんでも相手が悪すぎた。
初心者で水しか使えない自分と次元ホールとは別の空間からアドバイスができる使い魔ルマリアに雷と光の能力を使える自分より若いプロファイター。
現実は
それでも初心者ながら全てが
それと別空間の仕組み。
もしかしたら元の世界へ戻っても使えるかもしれない。
これは秘密にしよう。
次元ホールはルマリアによって各地に出現させられる。
そしてすでに何人か能力者がいる。
身体が回復したらうんときたえよう。
どんな時があっても誰かに殺されないように!
選択肢が少ない
それがもたざるものが選べる3通り目の道だと信じて
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