第3話:戸塚のしるし
今どき世界に名をとどろかせたいなんて夢を持つ若い人間は自分以外にいるのだろうか?
「き、貴様!いつの……まに……」
謎の空間があらわれて
普段は練習なんて試合前に少しやる
やっぱり非日常に俺は愛されている。
◆
ケンカも強く、並の人間の攻撃はすべてあたることもなくやり返すことができるので
ほんの一昔前なら目をつけられていたかもしれないが勉強も人間関係も
そのため充実した学生時代を送ることが出来た。
その
満足いく内容ばかりでなく顔を傷つけることはどうしてもさけられないため、目を良くし相手の反応を見切って攻撃を受け流していた。
それでも規制だらけの現実世界では本も音楽もゲームもなにもかもがうわずみで自己啓発本や時代遅れの哲学を仕方なく買っている子供を書店で見ているとため息と同時にあざわらっていた。
何が書いてあるんだよその
だれかの成功論じゃ自分を幸せになんてできない。
だから自分でつかみとってみろよ!
本当はそうやってその子の
馬鹿なやつだと
「あわれだねえこの世界の生き物は」
とっさに回し蹴りを声のする方へはなった。
しかしあたることなく声の主は
「私も昔はあんたみたいなやる気に満ちた者を知っている。どう?退屈しのぎになるか分からないけど私に付き合ってみない? 」
角に翼。
おそらく姿は人間の女性に近い。
そしてほぼ赤と紫の体色。
あきらかに人間ではない。
周囲には彼女が見えていないのか確認をしていたがどうやらなんらかの調整をしているようだ。
話をするのにはうってつけだ。
「あなたの心配はほぼ取り除いている。私は人間で言う悪魔。危害は加えない予定。どう?少しは安心した? 」
危害を加える予定はないか。
どうやら時と場合によるらしい。
それから次元ホールという各地で人間界とは違う世界へ行けるとびらがあることを知り、二人はそこで何度もあらわれる人間と戦った。
「この次元ホールに入ったものは、次元ホール限定かつ適正にあった能力が手に入る。変えることは残念ながらできない。そして私はルマリア。くわしい説明は今すると長いからもう少しだけ戦闘を重ねましょう」
そうして雷と光の力を手に入れて次元ホールで経験をかさね、現実世界では顔と力を利用しSNSで対戦カードを決めるためのストーリーをつくって勝ち続けていた。
知名度をあげるのに難しい時代だからこそ世界一とは言えなくてもほどほどに知られるようになっただけ他の連中とは違う。
ただし次元ホールのことやルマリアのことを知られるわけには行かなかったのでコンプラを守るのには工夫が必要だった。
「ルマリア。お前、人間を憎んでいるとかそういうよくある設定とかないか? 」
一通り戦いに慣れたあとに彼女へ聞きたいことがあったので話すことにした。
ルマリアの力がなければここまで強くなることも不可能だったし、秘密も隠し通せなかった。
「私は人間の世界へ来てまもないし、私の世界では人間の世界なんて伝説上でしか聞かなかった。それに私が簡単に人間や他の生物に負けると思う? 」
細かい
今は戦いに集中しよう。
そうしてルマリアと共に次元ホールで修行と戦いを続けていたらまだこの次元ホールにきてまもない水使い・
彼も格闘家ではあるがしばらく表舞台から姿を消し、団体も違うので特にマークしていなかった。
こんな所で出会うとは。
しかも楽しんでいる。
とはいえ水使いでこの世界初心者。
負けるわけはなかった。
水は雷に弱いわけではない。
だが水だけに限った話で使う人間にはいくら体内の成分がほぼ水でもダメージは食らうのは当たり前。
「ルマリア。今回もそんなに楽しめそうになさそうだ」
「またまぐわうつもり?誰がみてるか分からないんだからへんなにおわせはやめてほしいなあ」
「悪かった。ま、早く終わらせるにこしたことはないな」
とくに恨みも
しかし、この油断が
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