第二章 ダンジョン攻略編

第16話 ミュリアのダンジョン


「私、ミュリアのダンジョンに行ってみたいです!」


「ダンジョン……か。確かに面白そうかも。でも世界最高難易度って俺らが行って大丈夫なの?」


「はい。世界最高難易度といってもとても広い深いダンジョンなので!浅層はむしろ安全で駆け出し冒険者のいい練習場になってるくらいなので大丈夫ですよ。」


「よし。じゃあそのダンジョンに行くとしますか!」

「はい!」



……いや、ちょっと待てよ。

軽々しく「移動しよう!」なんて言っちゃったけど、そもそもここがどこかすらわかってなくない?

てか移動手段どうするの?反発床グラスホッパーで空飛んでいくの?流石に無理があるくね?




……ゴホン。一回落ち着こう。

まずは町に戻って情報収集が必要みたいだな。


俺は世界の抜け穴ワールドループホールを展開し町に繋いだ。

一度行ったことのある場所なら移動はすぐにできるのだ。

これで移動できたら楽なんだけどねー。



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町に着いた俺たちはダンジョンの情報と移動手段である馬を入手し、ついでに数日分の食料を買い込んだ。ここからミュリアのダンジョンまでは五日ほどかかるらしいので結構な長旅になる予定だ。



「よし。忘れ物はないか?」

「はい!準備万端です!」

「じゃあダンジョンに向けて出発だー!」



と意気揚々と馬にまたがり移動を始めて数分、一つ問題が発生した。

馬には、俺が手綱を握ってその後ろにカエデが乗る感じになっているのだが、


……


馬に乗るってことは密着しないといけないわけで、何なら振動とかもすごいから落ちないようにくっついてなきゃいけないんだけどさ。さすがにこれはやばい。近い。年頃の男の子にこれは非常にまずい。


てかカエデさんなんか吹っ切れてない?急にぐいぐい来るようになったし。あと、あえて突っ込まなかったけどステータスのあの称号何?【愛を捧げるものヤンデレ】って何だよ⁉誰に愛を捧げるの⁉


と、とにかくカエデさんには亜空間に入っててもらおう……。





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睡眠や休憩、食事を亜空間でとることによって一気に時間が短縮され、旅は順調に進んだ。

特に大きな問題は起きずに進んだのだが少しだけ変化があった。


それは、カエデが俺に敬語を使わなくなったことだ。


正直、最近大きくなったカエデから敬語を使われるのはなんだかむず痒く感じていた。なので俺が「お互いタメ口ではなそーよ」っと言ったのだ。


まあ俺としてももっと仲良くなりたいと思っていたので別に構わないのだが、その一言でカエデさんがめちゃめちゃ嬉しそうに顔を輝かせて亜空間の中を飛び跳ねまわっていたことはなんだか腑に落ちない。


そんなに俺に敬語を使うのが嫌だったのだろうか?



……このまま考え続けているとなんだかいろいろな感情がこみあげてきてしまいそうなのでやめよう。


そうだ。俺はダンジョンに来たんだった。今はダンジョンに集中しよう。


ミュリアの町の中心部にででーんと大きく構えているダンジョン上空から見ると、まるでぽっかりと穴が開いたかのような見た目になっている。どうやらこの町の観光資源になっているらしく、周りには屋台やら出店やらが沢山でている。人も大勢いるみたいだ。


そしてそのダンジョンだが入場料を払えば誰でも中にはいれるようになっていた。


てっきり冒険者登録をさせられると思ったのだがこれはかえって都合がいいかもしれない。ここに来る前はあまり成果を残せなかったらバレたり叩かれたりするのではないかとおびえていたのだが、その心配は必要なさそうだ。


早速俺たちもあまり安くはないが入場料を払って人生初ダンジョンに入る。

中はひんやりとしていて少し肌寒い。内観は前世で見たのとほとんど同じだった。


最初の1~2層は特に何もなかったのだが、三層あたりからちらほらコウモリのような魔物が出現し始めた。

どれほど強いのかと期待&不安をしていたのだが、カエデの炎魔法で一瞬で溶けていった。ざこ。


五層。

中ボス戦。どうやら五層ごとに中ボス→ボスといった感じになっているらしい。

この層ではちょいでかのコウモリが出て来た。ただあの最初のコウモリと同じ感じでカエデの魔法に溶けていった。ざこ。


弱すぎる気がするけど、でもよく考えたらまだ五層だし?最初だから当たり前か。だって最初からボス戦なんてハードモード誰もクリアできないしな。よし。じゃあどんどん下に降りて強いやつと戦おう!(脳筋スイッチON)


十層。ボス戦。

親玉コウモリが超音波攻撃をかましてきた。が、俺のスキルで一刀両断し、あっけなくクリアした。


十五階層。中ボス戦。

十一階層からは蜘蛛も出現し始めたのでなんとなく予想はしていたが、案の定大きめの蜘蛛が出た。

ただこいつも火に弱い。すぐ溶けて消えてしまった。


二十階層。ボス戦。

でかい蜘蛛が沢山の子分を引き連れて登場した。

恐怖よりきもいという感情のほうが勝ってしまった。ただめちゃめちゃ糸を吐いてくるのであまり余裕がなく、厄介で少々てこずってしまったので面倒くさくなってしまって、結局カエデの魔法で部屋ごと全部焼き尽くしてしまった。倒し方に品がない気がする。でもこれは生存競争だからしゃーない。



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【作者コメント】

今回も結局ラブコメ要素が強くなってしまって戦闘シーンほぼありませんでしたすみません💦


≪お願い≫


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