第13話 覚醒 (SIDE:カエデ)


「私だって……!」

気合いを、入れる。もう私は負けない。


覚悟を決めるとカエデは自分のスキルを発動させる。



……なんだろうこの感じ。すべてが満ち足りていく。体はボロボロであちこちに傷ができているが痛みは全く感じない。

なにもかもがゆっくりに見える。今ならあいつがこのあとどんな行動をしてくるのかさえわかるような気がする。



ああ、私はこんな奴にてこずっていたのか。


私とカオルの邪魔をする奴にかける容赦は、生憎持ち合わせていない。


「私を目覚めさせたことを後悔させて差し上げましょう。魔法多重展開ホーリーフィールド!!!!!!」




……魔法多重展開ホーリーフィールド

カエデが死地を経験したことでたどり着いた新境地。

新たに彼女が会得した無属性の魔法を使用することによって頭の回転速度を大幅に上昇させ、前人未到のすることが可能にした。


回復、攻撃、防御、スピードなどなど、戦闘に必要な要素をすべて自己完結することができるようになったため、魔力が切れない限りは永遠にベストコンディションで戦い続けることができる。

更に、無属性の魔法で頭の回転効率が飛躍的に上昇したため魔法効率が限界まで高まり、最低限の魔力消費で最大火力の魔法を使用することができるようになった。


これによりカエデの戦闘力はカオルに並ぶほどにまで成長する。







光魔法を展開し、ボロボロの体を修復する。と、同時に風魔法で上空に飛び上がり状況を確認する。


よし。これなら全力を出す必要もなさそうだ。



「燃やし尽くせ、すべてを浄化する炎ホーリーライト!!!!!!」


光魔法と炎魔法、そして闇魔法の3種類同時使用による全てを焼き尽くす超高温の炎がゴーレムの体を覆い、焼き尽くす。



「ぐぎゃあぁぁぁぁああああ!?」

ゴーレムが急激な攻撃に驚き、悲鳴を上げる。



「もう自重は捨てるわ。これから私はカオルのためだけに生きるの。邪魔する奴はいらないわ。ばいばい。絶対零度の息吹ホワイトブレス!」



温度変化に耐えられず、ぽろぽろとゴーレムは崩れ落ちていく。

もう勝負の結果は明白だった。



『レベルアップしました。レベルが上限に達したため肉体の再構築を行います。』



身体が優しい光に包まれる。

これからはカオルと、いつでも、一緒だ。もう離れない。


これはカオルと一緒にいたいと強く念じたおかげだろうか。

身長がどんどん伸びていく気がする。尻尾も長くなったようだ。

これがオトナの魅力ってやつだろうか。なんだか艶っぽくもなった気がする。


次カオルに会ったらぐいぐい迫ってやろう。


そんな覚悟を決めたのとカオルが亜空間から出てきたのは一緒のタイミングだった。



「「え?」」




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【作者コメント】


すみません💦

少し更新速度が遅くなってしまいそうです……。


これからもカオルたちは大活躍をしていく予定ですので変わらないご支援を、何卒お願いいたしますっ!!!!!!

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