第12話 私だって……!(SIDE:カエデ)


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どうもこんにちは。カエデです。


私は例の山にカオル様と一緒に来てレベルアップのためにひたすら魔物を狩り続けています。

今は、お昼ご飯を食べ終わって午後の部に突入中です。



ただ、午前中の疲労が残っていてもうあまり魔法の威力を出せなくなってしまったので、ちょっと早いけどカオル様のところに戻ろうかなぁ……と思い歩いて戻ってきたら、川の橋の近くに三メートルほどのゴーレムの群れ(ゴーレムって群れるの!?)がたむろしていました。



この橋を通らないと帰ることはできません。ただ、ゴーレムのは装甲が厚く、少し倒すのが面倒なので、ちょっと背後から威嚇して追い払おうと思いました。


加速する炎アクセラレータ!!!!!!」


と。

少し装甲に傷をつけられるかなぁ……ぐらいの軽い気持ちで魔法を撃ったつもりだったのです。




ですがやり状の真っ赤に燃え盛る炎が、加速しながら風を切ってゴーレムたちに向かっていき、硬い装甲を易々と貫きました。しかも




断末魔をあげて何体かのゴーレムたちが倒れていきます。


「……やってしまった___」



これはオーバーキルすぎましたね。

私のレベルが上がって魔法の威力が大幅に上昇していたのを完全完璧に忘れていました。




そんなことを思っているうちに、案の定この攻撃で仲間を喪ってお怒りになったゴーレムさんたちが、どんどんと地響きを鳴らしながらこちらに進撃を開始してきます。


まあ、そうなりますよね。


この数からは……逃げ切れないので戦うしかありません。


「……流石にこのだけの敵をちまちま相手するのは少々面倒なので、一気に片を付けてしまいましょう!」


私は風魔法を発動し空に浮き上がり、水と氷、炎の魔法をそれぞれ展開する。


まずは氷魔法で氷の壁を創りやつらを一か所にまとめ、逃げ場をなくす。

その後に水魔法で、壁で囲まれた中に大量の水を流し込む。


ふふふ。もうこの時点でゴーレムの動きが鈍っていますね!


でもまだ早いですよ?



再び氷魔法を展開し、壁の中の水の温度を一気に下げてゴーレムたちを凍てつかせる。

極めつけに、最大火力の炎魔法を撃てばどうなるか……

泥人形ゴーレムなんだから急な温度差には耐えきれないでしょう?


「砕け散りなさい、寒冷熱波インフェルノ!!!!!!」


凄まじい衝撃波がカエデにも来るが、彼女は魔法障壁で防御をしているため何のダメージもない。


故にカエデは、まったくの無傷で、一瞬にして百を超えるゴーレムを倒すことに成功した。






「ふぅ……。」


これでまたレベルアップです。

レベルアップの時の特典としてついてくる全回復フルヒールによってまた体力と魔力が元通りになってしまいました……。

これじゃあ疲れたから、という理由でカオル様のところに帰ることができないですね……。


仕方ないので山に戻ろうとすると、背後から強大な魔力をいきなり感じました。



「な、何!?」


慌てて気配のした方を向くとそこにはさっき倒したゴーレムの何十倍も大きい超巨大な、ビック・アイアン・ゴーレムが立っていました。


「足音も感じなかったのに!これだけ大きな体でいつの間に!?ぁあ

目の前にいる自分よりも明らかに格上の相手に恐怖心を抱かずにはいられませんでした。


おそらくさっき倒したゴーレムの復習に来たのだろう。

そんなことが頭をよぎった。





戦場では一瞬の油断が命取り。

この場合カエデは、逃げるにしろ戦うにしろすぐに行動を起こすべきだった。

その小さなミスが大きなダメージとなる。




巨人にそぐわない素早い動きで振られた腕を、横からもろに直撃してしまう。



「ぐっ……!!!!!!」


耳元で常時展開していた魔法障壁が割れる音がした。


骨が折れた感触がする。


痛い。


痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い

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痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い



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今日の朝に急にカオル(いつもは様付けだけど本当は名前で呼びたい)が私の部屋に入ってきて、そのまま、「今からレベルアップに行くぞ!!!!!!」と言われ急に山に連れてこられた。


私の部屋に入ってきたときに「カオル、大胆!」と嬉しいのと恥ずかしい気持ちが入り混じった気持ちになってしまったのだが、そんなことを期待した私がバカだった。


全く、あの人は天然のタラシだ。私がどれだけ思っているかなんて知らないくせに、優しいし、気遣いもできるし、かっこいいし。

さっきなんていつものカオルからは想像もできないような幼い一面を見せられて、ギャップ萌えで死んでしまうかと思った。超幸せだった。


……素直に認めよう。

私は、カオルが好きです。大好きです。もうどうしようもないくらいに好きです。正直私だけを見ていて欲しいし、もっと一緒にいたい。





でも、もっと一緒にいるにはあのカオル様と肩を並べられるくらいに強くならないといけない。


こんなたかがゴーレム一匹も倒せないようならカオル様の横にいる資格はない。


よし、決めた。こいつは絶対に私が倒す。

で、倒したら、カオル様にいっぱい褒めてもらおう。そして、カオル様のことを名前で呼んでもいいか聞こう。


ああ、じゃあ尚更こんなところで死ぬわけにはいかないじゃないか。

体中に魔力がみなぎってくる。


今なら何でもできる気がする。


私だって……!!!!!!







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【作者コメント】

カエデ回もう少し続きます。


あと、題名を変更しました!



≪お願い≫


「面白い!」

「続きが気になる!」


と少しでも思っていただけた方は作者の励みになりますので、☆、♡、是非!コメントをお願いしますっっ!!!!!!






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