第4話 万物切断
「
『はい。文字通り全てを切断することができます。』
「何でも⁉」
『はい、』
『試しにあそこにあるサンドバックに向かって
「わかった。」
さっきトレーニングルームを創造するときに一緒に作成していたサンドバックに向かって、ブーメランの要領で
スパッ。
「……え?」
そこには彫刻のようにきれいな切り口で、斜めに切られて二つになったサンドバックが転がっていた。
『このようにしてあらゆる全てを同じ要領で切り刻むことができます。』
「…………」
『お疑いのようでしたら、ご自分で信じられないものを創造して切ってみればよろしいかと。』
結果はすべて同じだった。
金属をはじめとした硬い物質、ダイヤモンドも創造できたので切ったがどれも美術館に飾っても何ら見劣りしない切り口になった。
では逆に柔らかい物質なら、と思い世界一柔らかい金属と言われているセシウムや水銀、しまいには水も創造して切ってみたがどれも素晴らしく綺麗な切り口となった。
……これってチートなのでは!?
と、思ったがこの程度なんともないのかもしれない。
だって、異世界から来た新入りが、その世界でのベテランを超えてしまったら。そうなったらベテランの人の努力が無駄になってしまい、努力をする人なんて世界にいなくなってしまう。。。
だからこんな力雑魚に違いなくて、もっと強い力ばっかりのはずだ。
うん。そうだ。きっとそうに違いない。
「…一つ疑問に思ったことがあるんだけど。」
『はい。なんでしょう?』
「これって、俺自身は切断されたりしないの?」
『はい。
……ほんとだ。
試しにさっきまで切れてたものを「切りたい」という意思を込めないで、切りつけてみると、切れなくなった。
『逆に、切りたくないと思ったものには反発します。例えば「この空間の地面は切りたくない」と思えば反発して、投げたカッターが手元に帰ってきます。』
……ほんとだ。(二回目)
『また先にお伝えするべきでしたが、
…先に言って欲しかったけど、これは面白い。
試しに自分の手の中で
確かにこれで一気に使いやすくなった。
『最後に。現段階では、亜空間と現実世界を接続する
「…わかった!」
自分のスキルについて知ったことで、異世界がより楽しみになった。
自分の力がこの世界でどこまで通用するのか試してみたい、と心の底から感じた。
まだ異世界に行ってすらないのに、前の世界にいたときからの心情の変化がすごい。
初めて人生が「楽しい」と思えた瞬間だった。
『それではそろそろ亜空間から出たほうがよろしいかと。私はずっとここから
「うん。じゃあこれからよろしく頼むよ!相棒!」
『はい。
……亜空間から出る。
なんだか少ししか時間が経ってないのに外の世界が久々な感じがする。
やっとこれから俺の異世界生活が始まるんだ!!!!!!
と、思ったが亜空間の中は時間の概念がないので、まだまだ異世界までの道のりは残っていてこの後16時間ほどエレベーターで待機した。
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