第3話 能力≪空間≫

能力スキル≪空間≫!」


そう唱えると、目の前に人一人分くらいの穴が現れた。


「これは、、、」

『お待ちしておりました。主様マスター。』


急に穴の中から電子的な音声が響く。


「君は、一体…?」

『≪空間≫の能力スキルの一部です。これから主様マスターのお傍に仕えさせていただきます。』


「お、おう。よ、よろしく…」


『早速ですが主様マスター能力スキルについて説明させていただきたいので穴の中に入っていただいてもよろしいでしょうか。』


「はい。この穴は「亜空間」につながっております。まずはお入りください。」


「わ、わかった。」


穴に近づくと急に体がふわっと軽くなる。そしてそのまま、吸い込まれてしまった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『ようこそ主様マスター。あなたがいらっしゃるのを心待ちにしておりました。』


そこには、メイドさんに負けず劣らずの美少女が立っていた。


「そ、その姿は…?」

『はい。主様マスターの記憶の中から一番満足度の高い服装を探し出し、再現いたしました。お気に召さなかったでしょうか?』


いや、ドストライクです。


「いや、そんなことない!そんなことない!」

『それは!そうですか。安心いたしました。』


死んでよかったーーーー!

この上ない眼福に打ちひしがれて思わず震えてしまう。が、少々不自然だったらしい。


『……主様マスター?』

「ああ、いやなんでもない。それより俺の能力スキルの説明をお願いできる?」


『かしこまりました。主様マスター能力スキル≪空間≫には大きく分けて二つの権能がございます。』


①亜空間支配

②絶対切断


『順を追って説明させていただきますね。

まず「亜空間支配」ですが、今いるこの空間が「亜空間」です。ここでは主様マスターの思い通りになります。


つまり、この空間では、主様マスターがルール、主様マスターのイメージが具現化される、ということです。

試しに何かを思い浮かべてみてください。』


そういわれて、俺は疲れていたのでふっかふかのベッドを想像した。


「うぉぉぉぉぉぉおお……」


するとそこにはイメージ通りの三ツ星ホテル並みの高そうなベッドができた。


『唯一、食べ物と生き物の生産だけはできませんが、調理器具などは創造できますので、食物をこの空間内に保管しておけば調理することも可能です。』

「え、ちょっと待って。この空間に食べ物収納できんの⁉」


『はい。食べ物に限らず、この世界に存在するあらゆるもの、生物は収納可能です。この空間には時間の概念がありませんので、食物が腐る心配はなく、収納量の限界もございません。さすがに建築物となると、無理がありますが。』


まじか、、、これやばくね?

だって食べ物だけ持っとけばずっと引きこもってられるわけでしょ?

しかも、時間の概念がない?ここの空間にいれば年を取らないってこと?

え、強すぎない??


『私も常にこの空間にいますので、全力で主様マスターをサポートさせて頂きます!』

「それは頼もしいな!これからよろしく!」


『はい。それでは次に「絶対切断」についてご説明させていただきます。お手数ですが広いトレーニングルームを想像していただけますか?』

「わかった。はぁああああっ!」


『お見事です。それでは主様マスター、自分の手をご覧ください。』

「……?お、おう。わかった。」


すると自分の手の上にわっかのようなものが浮かんできた。


『これがもうひとつの権能、「絶対切断」が付与された、万物切断オールマイティカッターです。』

万物切断オールマイティカッター⁉」

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