第13話

 おじいさんも山の入口に立っていました。

 かつて背を向けお供えするだけの日々となりましたが、元々は馴染みのある山でした。


 見える範囲でも太い樹木が何本も叩き折られているのが判ります。


 数日前にはありませんでした。

 つまり誰が見てもおばあさんの移動した跡です。


「ばあさん、いま行くぞ」

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