第12話

 一畳ほどもある鉄製の平たい黒光りが斜面と水平に振るわれます。

 おばあさんは細い腕で昔のように鎌を操っていました。


 ボッとおよそ樹木とは思えない音を立てて、幹が千切れます。

 大人ふたりが抱き付いたら囲める太さの幹でした。


 辺りは倒木だらけです。

 見晴らしの良い広場になりました。


「川はあっちだね……」

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