第23話 宣言

 雄叫びを上げて、狭い船内でカケルニットは南方圭介に襲いかかり、


「だあってろ」


 圭介の取り出したビール瓶の一撃でもって床に伏した。砕け散ったガラス片と足元に転がる銃器のようなものを尻目に二本目をサラリと取り出し、慎重に歩む圭介の先に、マネルニットはいた。


「てめえが親玉か」


 操縦室らしく、席が三つある。そのうち中央に座る銀色頭に圭介はいった。


「そうだ。お前のせいでどれだけおれたちが損害を被ったかわかるか」


「わかるわけねえだろ。とっとと宇宙に帰りやがれ」


「それをいいにきたのか」


 マネルニットは驚きを持っていった」


「そうだ。お前らがいるおかげで、うちのお節介がやる気満々なんだよ。お前らみてえなわけのわかんねえ奴に出来もしねえくせして食って掛かるんだ」


「それはお前もじゃないか」


 マネルニットは嘲笑した。


「おれはできるからいいんだよ」


「それはどうかな?」


 宇宙人がそういうが早いか、圭介はビール瓶を投げつけた。背後のタセルニットに向けて。タセルニットは瓶を銃器でもってはたき落とすが、その僅かな時間に圭介は目の前に迫っていた。そして勢い良く肘をその、首元の鰓に叩き込めばあのタセルニットがあっさりと、ふらり悶絶して倒れこむ。圭介は強引に銃器の銃口と思しき部分をひっつかみぐるりと向けてマネルニットをけん制する。一秒もあったのか。一瞬にして南方圭介は場を制した。マネルニットの顔がどんどん黒く染まっていく。


「うちの弟ならともかく、お前ら相手でもおれなら勝てる。お前らじゃおれには勝てねえ。とにかく早く帰れ。おれが言いたいのはそれだけだ」


 そういうと圭介はカケルニットを踏みつけて外へ出て行った。

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