第10話

「主治医から処方されている眠剤は、今も毎日服用していますか?」

 月島のその問いに、タクヤは頭を振る。

「飲まなくても、眠れている、ということですね。」

 それに、少し間を置いてうなずいた。

 月島のカウンセリングを受けるようになってから、タクヤはいつの間にか眠剤を服用しなくても、途中覚醒無く朝まで眠れるようになっていた。それでも、その眠れるといったものは、やはり毎日ではない。熟睡感が得られない夜も、4,5日に1回はやって来る。一度眠れない夜が来れば、それは続けさまにやって来る。熟睡感が得られない、途中覚醒がある、また途中覚醒後は全く眠ることができない、といった日が3日以上続けば、タクヤは4日目に睡眠導入剤を服用して眠っていた。

 またいったん、眠れる周期に入れば、その後は眠剤を服用しなくとも眠れる日が続く。

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