第9話
先ほどもそうだった。
月島の言葉に耳を傾け、彼の質問に答えようとしていたのが、いつの間にかぼんやりと、小窓にかかっているカーテンが微風に揺れる様を眺めるとはなしに眺めてしまっていた。
月島から名を呼ばれなければ、タクヤはいつまでもそのままぼんやりと、カーテンの揺れる様を見続けていたように思う。
とは言っても、いつもカウンセリングを終える頃にはぼんやり感はいつしか無くなり、反対にすっきりとした、大げさに言えば清々しさで心の中が満たされている。だから、なのか、タクヤは真面目に指示される日程とおり、月島のカウンセリングを受けに受診している。
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